10月の伊勢遷宮が近くになり、実家に帰ると遷宮の話がよく出てきます。先日は、赤福の朔日餅の話で盛り上がりました。伊勢には、毎月一日に普段より早く起きて、神宮へお参りする「朔日(ついたち)参り」というならわしがあります。無事に過ごした一月(ひとつき)に感謝し、これからの一月(ひとつき)も無事に過ごせる事を願う信仰と国を愛するこころそのものだと思います。この朔日参りのために昭和53年から『赤福』が作り始め、毎月異なる季節感ただよう朔日餅を販売しています。また、朔日餅を包むのは、日本伝統のゆかしい美しさを備えた伊勢千代紙です。商品には、人々のくらし・ヒストリーやストーリーがあり、生産販売者は、それをうまく伝え、購入者もそれらを味わう価値の高いものにしていくことが重要。そこに、根強い人気商品としてのヒントがあるのではないかとも思います。残念ながら、実家に保存された飾り気のないが奥ゆかしさを感じる伊勢千代紙の包装紙の写真を撮ってくるのを忘れました。