5日㈪~6日㈫は、委員長を務めている子育て環境の充実に関する特別委員会で管外調査に行った。今年度は政策提言型委員会で運営しているため、どういう提言に結び付けていくのか、各会派の委員の皆さんや事務局職員と話をしながらの有意義な調査となった。
最初は茨城県常陸太田市で「子育て上手 常陸太田」の取り組みを調査した。常陸太田市議会の成井小太郎議長さんにもご挨拶いただき、最後まで同席いただいた。成井議長は「都道府県議会の視察の受け入れは初めてだ」とおっしゃっておられた。
常陸太田市は出生率が1.06と地方都市にしてはものすごく低い。それは未婚率の高さが影響しているようだ。婚活対策や出産支援、若い夫婦の居住支援、三世代同居への支援などなど、人口減少を食い止めるために様々な子育て支援の補助をしておられることが分かった。市の単費で毎年10億円ほどの予算になるというお話だった。
続いては茨城県議会を訪問し、今年4月から施行されている茨城県子どもを虐待から守る条例や茨城県での児童虐待防止対策等を調査した。
茨城県議会ではたくさんの議員提案条例が制定されているほか、予算案の増額修正とか、議会の権能を発揮し、執行部提案に対して様々なことができているようだ。ほとんどが自民党議員であることが、逆に大胆な議会活動ができることになっているようにも感じた。議員提案条例もほぼ全て自民党県議団の主導で行われているそうだ。
2日目は茨城県水戸市から静岡県の掛川市に移動し、障害児支援の草分け的施設である「ねむの木学園」を訪問し、丸山勝久副施設長さんからお話を伺った。
歌手、女優である宮城まり子さんが昭和43年に開所された学園で、美術、音楽、ダンス、茶道、太鼓などを取り入れた個性的な授業が行われている私立の特別支援学校と卒業後も暮らせる支援施設を中心に「ねむの木村」として、美術館や吉行淳之介文学館、カフェ、雑貨屋などがまとまって整備されている。最初は同じ静岡県の旧浜岡町にあったが、浜岡原発ができたため、今の場所に移転してきたそうだ。
宮城まり子さんは二度ほど、綾部に講演に来ていただいたご縁もあり、ねむの木学園の名前は以前から知っていたが、どういう場所にあって、どういうことをされているのかはよく分かっておらず、今回訪問してよく分かった。京都ではKBS京都とも古くからのつながりがあるそうだ。
綾部のるんびに学園と同じように太鼓も置いてあった。
お話を聞く前に、施設から車で3分ほどのところにあるこども美術館(どんぐり)も見学させていただいた。色鮮やかな緻密な作品が数多くあり、子ども達の歌声を聴きながら鑑賞できるようになっていた。絵の写真は撮れなかったが、インターネットにはあちこちに掲載されていますので検索してみてください。
宮城まり子さんの言葉「やさしくね、やさしくね、やさしいことはつよいのよ」が印象的だった。
ダスキンが年末に配るカレンダーにも子ども達の絵が使われており、ダスキン社が運営するミスタードーナツの店内には必ずねむの木の子ども達の絵が飾られているとのことだった。