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バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

無言… 変なお母さん!?

2013年11月28日 19時27分10秒 | バス運転士

午前10時過ぎ… 各バス停でお年寄りを乗せながら走っていた。そんな中、あるバス停から一組の母娘が乗ったのだが、お母さんは左手に2つのバッグを、右手には折り畳まれたベビーカーを持って、ただ立っていた。

私が「お支払いは…」と言おうと思った時、娘さん(2~3歳?)が右手にお金を持っているんだという雰囲気が伝わってきた。しかし、その子の性格なのか、ただ戸惑っていたのか… とにかく、娘さんの動きがゆっくりだったので、お母さんは無言で運賃投入口を指差した…(ちょっと変な感じ…)

が、それ以前に娘さんの身長が少し足りず、運賃投入口に手が届きそうで届かなかった… それを見たお母さんは、右手に持っていたベビーカーを立てておいて、無言で娘さんを抱き上げた。そして娘さんが500円玉を入れたのだった…(やっぱり変な感じ…)

その母娘は終点の2つ手前の“最近リニューアルオープンした某大手スーパー”の前にあるバス停で降りたのだが… 終点の某駅に到着すると、一人のお爺さんが「これ、忘れ物だけど… 多分、さっきの子供連れの…」と言いながら、白い布製のバッグに女の子向けのキャラクターが縫い付けられたモノを差し出した。

私はお爺さんに御礼を言いながらバッグを受け取り、車内チェックをして… あまり時間がなかったので、すぐにバスを乗り場へ移動させた。その後、定刻に某駅を発車して、約3分後には“母娘が降りたバス停(もちろん、さっきとは道路の反対側)”に到着…

すると、バス停には十数名のお年寄りが並んで待っていたのだが、先頭のお婆さんの横に“母娘”が立っていたのである。私は、続々とフリーパスで乗車するお年寄りを横目に見ながら、お母さんと再会の握手&ハグ… 否、「これですよね」と言いながら、運転席の横に置いておいたバッグを持ち上げた。

その時、お母さんが「ありがとうございましたぁ~」と、とても嬉しそうな声を出したので、私は「終点でお客様が持ってきてくれたんですよ」と答えながら、ウインク&投げキッス… 否、普通にバッグを手渡したのだが、その時のお母さんは“無言で行動する変なお母さん”ではなく、私の目を見て御礼を言う“笑顔の素敵なお母さん”だった。(♪目と目で通じ合う~)