バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

聞いてない! 見てない…

2013年11月09日 22時06分58秒 | バス運転士

某住宅地停が見えてきたと思ったら、そこにA駅経由B駅行きのバスが止まっていた。そのバスは、そこが始発地点なので、私は「ゲゲッ… 追い越すわけにはいかないし… 何分発だろう?」と不安になったのだが、すぐに発車したのでホッとした。

そのままB駅行きを追走する形でバス停を2つ進み… そこは、私のバスにとっては“終点の2つ手前”となるバス停だったので「誰も乗らないだろう」と思いながら、前のバスが乗車客扱いを終えるのを待っていた。

前のバスが発車したので、私も発車… と思ったら、なぜか2人のお婆さんがバス停に残っていたのである。私は「C駅行きを待っているのかな? いや… フリーパスだったら、一区でも二区でも乗るからなぁ~」と思い直し、2人の位置に合わせた前扉を開けながら「某所行きです」と言った。

すると、一瞬の沈黙の後… 1人のお婆さんが「あ、××駅って書いてある。××駅でもいいわ。乗ろう乗ろう!」と言いながら乗ってきたので、すぐに私は「逆ですよ!」と言ったのだが、お婆さんは私の方を見ることもなく、そのまま通路を歩いて行った…

とにかく私は「逆ですよ!」を繰り返し、バス停に立ったままのお婆さんも「逆だって!」を繰り返したのだが、バスに乗ったお婆さんの耳には届かなかったようで… しかし、もう1人のお婆さんが乗ってこなかったことを不思議に思ったのか、前扉のところまで戻ってきて「どうしたのぉ~!?」と言った。

そこでようやく、バスに乗らなかったお婆さんの「逆だって!」という声が聞こえたようで… 自分が勘違いしていることに気付いたのだった。もしも、人の声を聞かないお婆さん1人だけだったら… 「えぇ~い! 面倒くせぇ! このまま乗せてったろ!」って思… わないですよ! ハハハ…

なぁ~んて偉そうに書いている私ですが、その約2時間前… B駅の乗り場で10名ほどの乗車客扱いを終えて、発車時刻になるのを待っていたところ… 車内観覧席から若い男性がやって来たので、私は「ICカードに入金でもするのかな?」と思った。

ところが、男性は「さっき、4の方を見せてしまって…」と言いながら、私に土日切符を見せたのである。私が「???」と返事に困っていると、彼は「こっちの9の方を見せなきゃいけなかったのに…」と言ったのである。

そこでようやくボケな私は“今日は11月9日なのに、彼が乗る時に間違えて11月4日の土日切符を見せてしまった”と言っているのだということを理解して「あ、あぁ… そうでしたっけねぇ… すいません」と言ったような… 正直、恥ずかしくて何と答えたのか覚えていない…(おぉ~い、ちゃんと見ろよぉ~!)