今日は、某地区巡回バス&巡回もどきバスで合計10周も走る勤務だった。その昼食タイム前、某地区巡回バスの左回り… 1~2分遅れで路線途中にある某駅に到着した。そこで約10名の乗客全員が降り… と思ったら、車掌席で斜めに座り、右腕を背もたれに載せ、組んだ脚を通路に投げ出しているお爺さんがいた。
降車完了後、すぐに某駅停を発車したかったが、そこから50mほど先の交差点までマイカーが並んでいたので、そのままバス停で待つことになった。50m前方の信号が青になり、順番に動き出したマイカー… ところが、10mほど前の小さな交差点(信号なし)の横断歩道の脇に4~5人の男女が現れたのだった…
私が、50m前方の青信号と、そこへ向かって走って行くマイカーの列と、なかなか止まってくれない対向車を見ながら「あぁ… あの青信号に間に合わなくなるかもしれない。だけど、それほど遅れているわけじゃないし…」と思っていたら、車内から何やらブツブツ言っている声が聞こえてきた。
しばらくして歩行者が横断歩道を渡り、私はバスを発進させ… 案の定、信号は赤に変わってしまった。が、それは想定内のことで、私はバスを停止線の手前でバスを止め… その時! 車掌席に座っているお爺さんが「さっき、なんで止まっとったんだ!」「歩行者は止まっとっただろう!」「あんなことやっとるで遅れるんだわ!」「おまえ、どこの営業所だ!」「名前は!」「名古屋市から給料もらっとるんだろうが!」と大声で怒鳴る怒鳴る…
今日の私の精神状態は“陰か陽かで言うと陰だった”ので、最初の「歩行者が横断歩道の脇で立っていただけなんだから、そんなの無視して行けば良かったんだ!」という意味の怒鳴り声を聞いて、「はぁ~??? 相手にするのもアホらしい… 無視だ、無視!」と思った。しかし、「名古屋市から給料もらっとるんだろうが!」と言われた瞬間、「いえ、私は××バスの社員ですけど!」とノド元まで声… が、が、が、そこもグッと堪えて初志貫徹! 無視し続けた。
その後も、ジジイは同じようなことを繰り返し怒鳴り続けていたのだが… その時、私は… 以前、ある運転士さんが“何も悪いことをやっていないのに、一人のお爺さんに怒鳴られた”と話していたのを思い出した。その運転士さんが、具体的に何について怒鳴られたのか忘れてしまったけれど、私は「多分、このジジイに違いない」と思った。
私は、そのジジイ以外に乗客がいるかどうか分からなかったけれど、「もしも誰かがいたとしても、察してくれるだろう」と思って、次のバス停を無言で通過… その次も無言で通過… そこで「ピンポ~ン!」と降車ブザーが鳴ったけれど、「多分、ジジイだろう」と思って無言で走行… バス停到着、扉の開閉、一切無言の松井であった…
後になって少しずつ思い出してきたことは… そのジジイ、これまでに何度も乗せているのである。ただ、これまでは特に何もなかったので、大勢の中の一人という程度の印象しかなかったのだが… 今回の件でしっかりと記憶することができたので、再び会えることを楽しみにしていよう。その時には、いつも以上に横断歩道と歩行者に気を配って… ね! ハハハ…