バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

いい話のはずなんだけど…

2014年03月19日 23時55分27秒 | バス運転士

ある新聞の投稿欄に「子供たちが間違えてバスに乗って、終点まで行ってしまった。そのままでは入学試験に間に合わなくなるところ、そのバスの運転士さんが学校の最寄り停まで乗せてくれたとか… とても感謝しています」というような内容が掲載されたとかで…

今朝の始業点呼で、運転士全員に「この記事の運転士はあなたですか?」と確認していたのだが… 確認する理由は言われなかった。上の方から感謝状と金一封でも出るならば「はい、私です」と名乗り出るかもしれないけれど… 「勝手なことをするな! ルール違反だぞ!」と怒られるだけならば、誰も名乗り出ないでしょ?

日頃から「何かあったら、営業所へ電話して指示を仰げ」と言われているけれど… 果たして、その時… 「時間がないようだから、そのままバスで子供たちを学校まで送ってあげてくれ」と即答できる上司がいるだろうか? 多分、いない… 自分が責任を取らなくてはいけなくなるので言えないのだ。

高校受験となれば、子供たちはまだ中学生… きっと彼らは「この世の終わりだ!」みたいな顔をしていたに違いない。そんな子供たちを目の前にして… その優しい運転士さんは「何とかしてあげなければ!」と思ったのだろう。その“臨機応変な対応”に拍手を送りたい!!

もしも私が同じような場面に遭遇したら… その運転士さんを見習うことにしよう。ただし、次の発車に間に合わないようではダメだけど… その場合はタクシーを止めて、一万円札を出して「○○高校まで!」と… ま、ドラマじゃないんだから、そうそう都合よくタクシーが来るとは限らないけれど…(一万円札を持っているとは限らないけれど…)

そもそも、その投稿を書いた人の気持ちは… 「ありがとう」である。それを掲載した新聞社の人も… 「いい話だなぁ~」と思ったに違いない。果たして、それを読んだ人たちは… どう思ったのだろう? 私は、ほとんどの人が新聞社の人と同じく「いい話だ」と感じたと信じている。

もしも、世の中の多くの人が「そんなことでルールを破るな! 乗り間違える方が悪いんだ!」と言うならば、私も「あぁ、そんな世の中になってしまったか…」と諦めるかもしれない(いや、天邪鬼の松井が、そんなことで諦めるとは思えないが…)。しかし、まぁ、とにかく… まだまだそんな世の中ではないはずである。

だから、そっとしておいてあげればいいと思うのだが… まさか、上の方の命令で犯人… 否、善人を探し出して処罰しようなんてことはないだろうなぁ~! 仮に、上の方がこの件に関して何か言いたいのだとしても、その運転士さんを探し出す必要はなく、一般論として言えばいいだけのことである。あぁ、こんな話… 投稿した人が知ったら悲しむだろうなぁ…