現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

中国で尺八はウけるか?

2010-06-29 11:18:01 | 虚無僧日記
敦煌の莫高窟壁画には、琵琶や笙、箏などの楽器を
演奏する天女の絵が数多く描かれている。それを
見るのが 今回の旅の目的の一つ。

幸い 『敦煌舞楽線描集』という書を買い求めることが
できた。敦煌壁画の内「舞楽図」を 線でトレースした
もの。全部で200ページに及ぶ。内、「縦笛」は数十点
あるが、解説はすべて『篳篥(ひちりき)』とかt『長笛』
となっている。

これは、現代の中国に「尺八」が存在しないためか。
縦笛には長短二種あり、短くて口に加えているのが
「篳篥」だろうが、それはごくわすか。他は、短くても
下唇の下に当てているので 尺八の吹き方だ。

問題は、長い縦笛だ。体とのバランスから「1尺8寸」ほど。
まさに「尺八」なのだが、正倉院や法隆寺伝来の尺八は、
皆1尺3寸前後と短いので、「1尺8寸」の尺八が 本当に
有ったのかが、疑問になっている。
長い縦笛は、尺八ではなく「洞簫(ドウショウ)」かもしれない。
現在中国で使われている「洞簫」は80cmほどもある。

ホテルのディナーショーでも「洞簫」の演奏があった。
無錫では、江南大学音楽部の学生による横笛の演奏が
あった。実に早くリズミカルに正確に吹く。尺八の比
ではない。横笛には、薄い膜を貼って響かせる「響孔」が
ついていて、ビリビリと大きな音が出せるようになって
いる。

尺八が中国で廃れたのは、音量が少ないことと、音程が
不安定だからだろう。尺八の特徴のユリや不規則なビブ
ラートも大陸ではウけないようだ。

結局、1尺4寸管で「コンドルは飛んでいく」が一番
うけた。今後、中国で尺八が広まる可能性は低いかも。


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中国の繁栄には驚くばかり

2010-06-29 10:06:08 | 虚無僧日記
“中国の繁栄ぶりはすごい”とは 聞いていたが、
それでも “ まだ日本には追いつかないだろう ”と
高をくくっていたら、“とんでも ハップン、歩いて十分 ”。
とにかく“おどろき、桃の木、 山椒の木”。

敦煌 などは「山奥の僻地。貧しい村」だろうと 思って
いたら 大間違い。市街地は人口3万人。皆着ている
ものもカラフルで 真新しく きれい。活気あふれ、ゴミは
一つも落ちていない。

車はベンツかアウディかワーゲンの大型車ばかり。
トヨタ・クラウンも、日本国内のより大きい。

泊まったホテルの部屋は、名古屋のマリオット・アソ
シエのコンシェルジェ・ルームなみ。30㎡はある。
そのホテルのホールで 箏と 尺八の演奏 をすることに
なっていた。

どうせ「田舎の旅館の舞台つき宴会場」ぐらいに思って
いたら、なかなか豪華なホールだ。舞台のバッグが
すごい。横10m×縦3mの液晶スクリーンに、莫高窟や
砂漠の映像が映し出される。天井の照明は、黄、青、
赤と変わる。スポットなども完備しているのだ。地方
都市のホテルでこれだけのホールを 持っているとは
正に驚き。

但し、打ち合わせ無し のぶっつけ本番だから、マイクが
入らなかったり、液晶画面が派手すぎて、肝心の演奏者
の顔がくすんでしまったり、ま、いろいろありました。

敦煌でもこうだから、上海、北京の繁栄ぶりは、目を
見張るばかり。ホテルで日本人と中国人が「100万ドルを
現金でどうのこうの 」と 取引の話をしていた。1億円
以上の売買だ。なんでもデッカイ。

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