現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

善と悪、明と暗の境

2011-04-01 18:50:13 | 虚無僧日記
被災地で出店荒らし・空き巣…窃盗被害計1億円 宮城(朝日新聞) - goo ニュース

「日本では 暴動も略奪も起きず すばらしい」と 海外の
評価だが、実は、報道されていないだけか。

宮城県だけで、窃盗事件が 約280件、被害総額は
約1億円という記事。

閉店中の店舗からの窃盗は約80件、空き巣が約70件、
車からガソリンを抜き取る窃盗は約120件、とのこと。

津波で流された信用金庫のATMから約4千万円が盗まれた
ほか、数百万円が盗まれた家も。半壊の家から食品や貴金属、
家電製品なども多数盗まれているとのこと。

そう つい先日、テレビで、被災者たちが 冷蔵庫から食物を
取り出したり、壊れた家や倉庫から食料を探し出したり、
車からガソリンを抜いている映像が映し出されていた。
このような状況では “ 生きるための智恵 ”のように
報道されていたが、あれも「窃盗」ではないか。

どこまでが許され、何が犯罪となるのか、境目が 難しい。

福岡ソフトバンクホークスの元選手らが、電線 10 mを
盗んで逮捕された事件もそうだ。落ちていたものを
拾っても犯罪か。

「実践倫理」の「朝起会」で、今朝の学びは、「落ちて
いる財布を見て、拾うのと、無視して立ち去るのとで、
明暗が分かれる」との先代会長の話。ネコババすれば、
懐は明るくなるが、心は重く暗くなる。ならば、拾わぬ
方がいいということか。




善人を騙す不心得者

2011-04-01 18:41:05 | 虚無僧日記
愛知高校グリークラブの演奏会で気持ちよくなっていたところ、
翌日の新聞に「愛知高校OBに 振り込め詐欺」の見出し。

内容は「愛知高校の卒業生に対して、OBを騙(かた)って
振込み詐欺の電話があり、被害額は 1,700万円。愛知高校の
卒業生名簿が流出しているようだ」というもの。

「純真な彼らだから 騙し易い」と狙ったか。許せん!

那古野神社でも、若者が 貯金箱のような「缶」を持って、
「震災被害者に義捐金を」と 参拝者に まとわりついていた。
怪しい。でも「良心に訴えられれば」とも思い、無けなしの
200円を入れてやった。

もう どこへ行っても「募金、募金」で、私はもう一文なし。
仕事も無い。この時期、いかがわしいと思われるから、
虚無僧にも出れない。私も震災被害者か。でも 住む所もあり、
食べるものも有る。幸せだ。



「愛知高校」の記事にコメント

2011-04-01 18:11:34 | 虚無僧日記
3/29 「愛知高校 グリークラブ」の記事に、「ノンナ」さんから
コメントをいただいたので、転載させていただきます。

「この演奏会、わたしも拝見しました。その様子が再び見えて
来るような文章と めぐり逢えましたご縁に 感謝します。
部活動の発表であるものの、堂々たるコンサートでした。
指揮のお二人が 語った言葉全てにも 心動かされました。
洗練 繊細の歌声…ハーモニーに、グリークラブOBの
ピアノ伴奏に、魂を揺さぶられました。

そして何より、あたたかな気持ちが 伝わって来ました。
愛知県芸文コンサートホールは4階にあり、この日は 下の
階から誘導、案内の方が たくさん立っていらっしゃいました。
制服ではなかったため、彼らは OBかと想像します。
卒業生が 今もなお あのように清々しい様子に、この学校の
素晴らしさを感じました。

この学校の生徒は、街中で見掛けても 制服を着崩す姿は
ありません。中学、高校共、共学になり数年が経ちます。
演奏会で感じたあたたかな祈りの心を胸に、私も震災以降
努めている大掃除(身の回りを清めようと)に 励みます。

生きる指針となる 文章に、今 出会えたこと とても感謝
しています。これも愛知高校 グリークラブのお陰です。」


丁寧なコメントありがとうございました。
そう、ブログで書き残したことは、ピアノを伴奏された
OBの男性二人。イケメンで「品の良い繊細さ」と
「情熱あふれる音づくり」。コーラスの伴奏という役割に
徹し、声と一体となっていることにも感動だった。

愛知高校は普通科だが、グリークラブからは音大に進学
する人も多いようだ。卒業生になんと「舟木一夫」がいる。

プラネタリウム初日故障 その時

2011-04-01 15:22:05 | 虚無僧日記
「世界最大(直径35m)」という触れ込みでオープンした
名古屋市科学館のプラネタリウム。開館初日の3月19日、
故障でお披露目できなかった。シャツターや絞りの開閉が
できなくなったとか。

製造はドイツのカールツァイス社。そのドイツ人技師が
福島原発の放射能漏れ騒ぎで、さっさとドイツに帰って
しまい、日本人では 対応できないのだという。

かのドイツ人に限らず、世界各国の反応は日本以上に
敏感で、本国からの指示で帰国者が相次いでいるという。
そういうのを「フライ人」と 云うのだそうだ。

本社の指示によらず、「家族を守るため、健康のため」
なら、職場放棄しても、外国では許されるそうな。

ドイツでは、「彼は、日本に帰国したら、冷たい目で
見られるだろう」と報道されているそうだが、日本に
帰国しても、たぶん日本人は彼を責めたりはしない
だろう。日本人は寛容だ。

プラネタリウムの方は、ドイツの会社に連絡をとり、
代替品に交換し、翌 20日には 無事稼動したようだ。
故障した場合、代替部品が用意されていたことも
関心する。

日本では今、原発で命がけの仕事に従事している人
たちがいる。オープニングの日に“ふける”とは。
(“ふける”とは、普化宗の祖「普化」が “とんずら”
したことによるらしい)。私も“尺八吹ける、顔が
老ける”。こんな時、私もフケル(逃げる)かも。


大災害は予言されていても

2011-04-01 11:13:48 | 虚無僧日記
昨年の1月、NHKスペシャルで 4回にわたって
『巨大地震』の特集があり、今まで経験したことのない
「長周期振動」の大地震が起こること、そして巨大津波が
襲うことも報じていた。しかし、昨年も今も、話題にならず、
皆ことさら無視しているようだ。

今まで「ノストラダムスの大予言」とか「マヤ暦の予言」など
「天変地異」が起こるであろうことは、さまざまに云われてきた。

オウムの麻原教祖も、今頃 独房で笑っているかもしれない。
「ほら見ろ、ハルマゲドンは事実だった」と。

「2012年に人類は滅亡する」と云う、その名も『2012年』と
いう映画もあった。

それでも、それらをあざ笑う「否定派」が大手を振ってきた。
彼ら否定派には、「備えをおろそかにさせた」責任は 無いのだ
ろうか。
福島原発についても、「千年に一度の大津波」を危惧していた
学者の進言は、ことさら無視されたという。


実践倫理の会報『倫風』の今年1月号、年頭の辞で、上広会長は、

「どんな災難も明日は 我が身にならない保証は ないのです。
たとえ転変地異であっても、備えあれば憂いも少ないという
ものです。 (中略) 直面してしまった事態に対しては、
勇気を持って 精一杯前向きに対応し、真摯に努力するだけです」と、

まるで、このたびの大震災を予知していたかのようなことを
書かれていた。そのことが、今 話題になっている。

会員はみな、これを読んではいたのだが、備えをする者は
居なかったようだ。私も聞き流していた。

『そして誰もいなくなった』というアメリカ映画があった。
放射能汚染で、ある日突然、何万という魚が海面に浮かび
上がってくる。場に引かれる羊のように、人は、死の
直前まで、「ことさら気づくまい」と 思うものなのかも。