現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

「さいかい」が キーワード

2011-04-18 20:36:27 | 虚無僧日記
今日のニユースは「ディズニーランド再開」
「トヨタが凄惨再開」「かまぼこ屋さんが営業再開」
「南三陸町の病院が再開で医師と“ 再会 ”を喜ぶ」。

というわけで、今日のキーワードは「再開、再会」。

「原子力発電、再開」そ それは ないだろう。
福島原発の7号機、8号機の「新規建設申請」が
3月30日に東電から出されていたそうな。この時期に
どういう神経しているんだろう。ま ビックリ。

東電の広報では、「原発は安全です」というキャンペーンを
震災後もずっとホームページで 流し続けていたそうな。
組織が巨大化して制御不能に陥っている。会長、社長は
さっさと辞任。逃げるがカチか。

一方、踏ん張っている菅さんの支持率は、“ 最下位 ”
から脱出。支持率は大幅にアップしているとのこと。
他に 総理になって舵取りする人材が いないしィ。
フル稼働で 舵取り“ 再開 ” お願いします。

「猫も杓子も」の語源は一休?

2011-04-18 10:58:51 | 虚無僧日記
「『猫も杓子(しゃくし)も』の語源を教えて~」という
質問があった。「猫と杓子」、全く関連が無い?。
「猫と杓子」の共通点は? 「猫の名前で一番多い
のが“ タマ ”。 杓子の別名は?“ おたま ”」。

いろいろ回答が寄せられている中、こんなのがあった。

「『一休咄(はなし)』(一休和尚の語録)の中に、
   『生まれては 死ぬるなりけり おしなべて 
            釈迦も達磨も 猫も杓子も』
という道歌があり、これが由来です」と。

ちょっと待って、これでは答えに なっていない。そもそも、
『一休咄』は 江戸時代の初め 寛文8(1668)年に刊行された
ものだ。「一休が 創った」となると 600年前の室町時代に
さかのぼるが、その出典は見当たらない。

滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』に「禰宜も釈氏も」という
用例があるそうだ。「禰宜は 神主、釈氏は 釈迦」を意味する。

そこから「禰子(ねこ)も釈子(しゃくし)も」に変化した
とする説がある。「“ 禰子 ”は 禰宜(神主)の子ではなく、
氏子と同様、神道を信奉する人たち。“ 釈子 ”は、釈迦の
弟子たちで仏教徒」。つまり「神道も仏教徒もおしなべて
すべて」となる。

これがさらに「猫も杓子も」に変わったという説もあるが、
滝沢馬琴は 1767-1848年の人。『南総里見八犬伝』は
1814年から 1842 年にかけて書かれた。『一休咄』の方が、
寛文8(1668)年で はるかに古い。

『禰宜も釈氏も』あるいは『禰子も釈子も』が本来で、
『一休咄』の戯作者は、一休さんらしく面白くするために
「猫も杓子」ともじった。滝沢馬琴は、本来の用例どおり
『禰宜も釈氏も』を用いた。

だが『一休咄』は多くの人に読まれ、「猫も杓子」の方が、
面白くインパクトがあるので 一般に広まったと 私は考える。


それより、一休さんの「とんち話」は すべて 江戸時代に
創作されたものですから、「ご用心、ご用心」。


虚無僧、再開

2011-04-18 10:27:05 | 虚無僧日記
3/11の震災以来、長らく中断していた「虚無僧」を再開した。
震災後は、名古屋駅前は、震災者への募金を呼びかける
人たちでいっぱいだった。「猫も杓子」もだ。

「義援金を装った詐欺」とか「“偽”援金募集」とかの噂も
飛び交っており、虚無僧も そんなふうに“ いかがわしく ”
思われては かなわんと、遠慮していたのだ。

そろそろ「過剰な震災騒ぎ」も 一段落したようだ。
昨日 4/17 (日) 名古屋駅前。もう「募金」活動もしていない。
若者があふれている光景は 震災前と変わらない。

「義援金疲れ」で、虚無僧に喜捨してくださる方など
居ないだろうと、無欲で尺八を吹いたのが良かったのか、
次々と、若い人が入れてくださる。

「タイガーマスク」が引き金となって、震災で「徳積み」の
心が増したようだ。


5才くらいの男の子が「あ、なんかやってるよ」と、手に
10円玉を 握り締めて近づいてきた。すると、父親が「違う、
違う、やめなさい!」と止める。「募金じゃないの?」と
男の子。「あれはね、修行してるの。宗教のひとつなの」と。

理屈をこね回せば「募金」も「喜捨」も「徳積み」で同じと
思うのだが、「はい、そうです。その通りです」と、すべて
心地よく受け止められるようになったのも 虚無僧修行の
おかげさま。

ティッシュやチラシが落ちていた。それを拾って「明暗箱」に
入れることもできた。名古屋駅前はチリひとつ落ちていない。
拾わせていただけたことも“徳積み”。感謝です。

4/12 震災後の初仕事

2011-04-18 10:07:17 | 虚無僧日記
4/12、震災から1カ月を過ぎて、初めての仕事が、津市で
あった。着物の着付指導をされている講師の方々を前に
『一休さんに学ぶ』の講演。半年も前から予定されており、
中止になるかとも思ったが、無事開催された。

被災者の状況が生々しく伝えられるこの時期、一休さんの
『平気、平気、なんとかなるさ』の話しでは、どうも軽すぎる。

まして『生まれては 死ぬるなりけり おしなべて 釈迦も
達磨も 猫も杓子も』の 悟りも、不謹慎にさえ 聞こえる。

はてさて、迷いながらの講演は、どうも冴えず、尺八も
一カ月、虚無僧を辞めていたから、力が出ない。

それでも、視聴者の方々は、真剣に聞いてくださった。
途中で「休憩をいれましょうか」と聞いてみたが、どなたも
立たない。そのまま、ぶっ続け2時間。

とにかく すばらしい会だった。もちろん 全員お着物。
「着物を着ると、身も心も 引き締まります」と会員の声。

講演の開始と最後には“ 全員起立 ”して、私に最敬礼。
今時、こんなに規律正しい会があるのだと、感心した。