現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

「原子力損害賠償に関する法律」にいう「異常に巨大」とは?

2011-04-16 18:24:25 | 社会問題
『原子力損害の賠償に関する法律』は、「原子力の事業者が、
原子力の運転によって損害を与えた時に、賠償の責任を負う」
というもので、第3条(無過失責任)では、「ただし、その損害が 
異常に巨大な天変地異や社会的動乱によって生じたもので
あるときは、この限りでない」と規定している。

だから「異常に巨大な天災地変」の場合は、「事業者に
賠償の責任は無い」ということになる。

ここで「異常に巨大な天災地変」の「規模」が問題になる。
「なにやら審議会」では、「『異常に巨大』を 関東大震災の
3倍程度」としており、それで 枝野官房長官は「免責適用は
あり得ない」と言っているのだそうだ。

「今回の東日本大震災は、マグニチュード9.0。関東大震災は
M7.9。Mが0.2大きくなると地震のエネルギーは2倍に
なるので、今回のエネルギーは関東大震災の約45倍、95年の
阪神大震災の約1450倍」とのこと。

だが、被災状況では、関東大震災では「190万人が被災し、
10万5千人余が死亡・行方不明。建物は、全壊が10万9千余棟、
全焼が21万2000余棟。津波は、相模湾沿岸部と房総半島沿岸部で
発生し、土石流で数百名の犠牲者を出した」というから、今回の
東日本大震災より はるかに大きな被害だったのだ。

さて「関東大震災の3倍規模」とは、マグニチュードで言うのか、
エネルギーで見るのか、被害状況で見るのか。「異常に」という
法律の文言の解釈で、東電に賠償責任が「あるか、無いか」が、
争点となるようだ。

しかし それより、一般国民は、「原子力は国を挙げて、国と
電力会社が癒着して推進してきた。ここにきて、国と電力会社の
責任のなすりあい」と見ているのではないか? “責任転嫁”する
国への信頼は ますます大揺れだ。「責任は みな 俺がとる」と
いう太っ腹な 総理大臣を期待しているのではないか。






原発の保険は どうなってる?

2011-04-16 17:21:51 | 社会問題
東電が不動産1000億円売却へ…賠償金に充当(読売新聞) - goo ニュース

生命保険や地震保険にはいっていた方は、契約によって
きちんと支払われるから 納得がいく。

だが、原発の放射能被害を怖れて、他県へ避難した人。
風評被害で、農産物が売れず、作物も作れず、収入の
途絶えた人は大変だ。その賠償補償 どうなるのだろう?。 

調べてみた。原発関係の保険は下記の2つ。

(1)原子力損害賠償責任保険(民間保険契約)
(2)原子力賠償補償契約(政府補償契約)

天災の場合には 当事者に責任は無いし、特に 地震・津波の
場合は「免責」で「賠償責任」は発生しない。ということは、
保険金は支払われない。民間損保会社からの支払いは「無い」
ということ。(ありゃぁ~、ムム、保険会社としては ホッと
胸をなでおろす)

保険会社から支払われない場合、『原子力損害賠償補償契約に
関する法律』で「1200億円までは 国が補償するので、それを
越えた部分を東京電力が負担する」ことになっている。

ところが、もうひとつ、(2)の『原子力賠償補償契約』は、
電力会社が政府と契約しているもので、「事業者の故意・過失を
問わず、事故が起きた場合、1200億円まで 電力会社の負担で、
それを超える分については、政府が援助する」(原賠法第16条)と
いうので「無制限で 政府の負担」になる。前項と逆だ。

しかも、その1200億についても、「巨大な天災・地変、又は
社会的動乱の場合には、電力会社の負担を免除する」という。

菅総理が「安易な免責は認めない」と発言したのは、「東電の
負担すべき1200億の支払い免除」を 認めないということだ。

この 政府と約束した「原子力賠償補償契約(政府補償契約)」に
基づく会社負担の1200億円について、電力会社は、国内損保に
保険をかけている。国内損保会社は、海外の保険会社にさらに
「再保険」を掛けている。

「チェルノブイリの被害補償は、イギリス、ロンドンのロイズ・
再保険会社が引き受けたが、日本は 地震国なので、再保険の引き受けは
できないと断られていた」とか、「東電は 国内損保会社との契約を、
昨年 打ち切っていた」とか。いろいろ書かれているが、これは、
契約していても、地震・津波は「免責事項」で 保険金は 出ないことで
騒ぐほどのことではない。

というわけで、東電としては 1,200億円の支払いが生ずるが、
これは 東電にとって大した金額ではない。「原子力の安全」を
訴える「広告宣伝費」の3年分ぐらいなのだ。

そこで 最近、枝野官房長官が、「国民感情もあり、1200億円を
超える分の政府援助も行わない」と言い出してきた。これは「契約違反、
法律違反を あえて 政府が行う」というに等しい。今後の争点になる。

東電は、「社宅や保養所などの不動産を売却する」と発表した。
私の父が東電の厚生課長だった時、あちこちの観光地に保養所を建てた。
私もスキーなどで 随分利用させてもらった。あれらの物件が売却される
ことになった。「お役に立った」と思うべきか。私の心情も複雑だ。

全部売れればだが、「3,000億にはなる」とも。その上、銀行から
2兆円の貸付を受けた。法律上では「1,200億」の負担で良いはずが、
「それではスマヌ」と。どこまで 東電は「誠意」を見せられるか。


大震災、保険金の支払いは?

2011-04-16 15:02:38 | 社会問題
保険会社に勤務していた私としては、今回の大震災での
保険金の支払いも気になる。4/16付「中日新聞」では、
すでに 保険会社は 支払いを開始しており、生保の支払いは
2,000億円。損保では1兆円になる見通しとのこと。

日本生命では、「リーマンショックでの損失額が500億。
そのくらいでもニッセイはビクともしませんでした。
今回の大震災でも、500億円の支払いを用意しています」
とのこと。今回のような大災害では「保険金は支払わない」と
いう免責条項があるにもかかわらず、「災害保険金」もすべて
支払うと言い、職員を東北各県に派遣して、迅速な支払いを
行っている。心強い。

阪神大震災の時は、高齢者が多かったためか、保険証券
1件当たりの保険金額は450万円で、意外と少なかった
と記憶している。地震保険については、加入率はまだ3割
行っていない。流された家の3軒に1軒しか、払われない
計算だ。

だから言わんこっちゃない。保険は大切なのだ。おっと、
かく言う私、今は 無保険。「自己破産」の申請手続きを
する時に、弁護士から「預貯金も保険も解約して」と云われて、
素直に解約してしまった。結果から言うと、自己破産しなくて
済んだ。私の「保険」元に返してぇ~。解約したら復元は不可。
今 新規に加入すると、月5万円にもなる。とても払える
金額ではない。貯蓄も無し。死ぬにも死ねない。アーメン。



義援金のゆくへ

2011-04-16 14:16:28 | 社会問題
全国、世界各国から続々と寄せられる義援金。
孫正義氏の100億をはじめ、有名人が何億も出している。
総額は さぞかし と思うが、今1千億ぐらいは集まった
だろうか。最終的に、被災者には どのくらい 行き渡るの
だろう。他人のことながら 気になる。

「阪神・淡路大震災の時は、1,800億円 集まったが、
亡くなられた方 6,000人で、遺族には 10万円でした」
という書き込みがあった。
 180,000,000,000 ÷ 6,000= 30,000,000 だから
「一人平均 3千万円」には なるはずだが、一体どう
いうことか。

義援金は、「被災者に配分されるもので、復興費用には
使われない」とのこと。それでも、神戸市のホームページでは、
「被災家屋も多かったため、一人ひとりへの配分は少額だった」
とあり、それぞれの配分額が一覧になっている。全損家屋で
たった30万円だ。

今回の「東日本大震災」では、被害総額は40兆円とも。
これを義援金として出すにしても、税金で払うにしても、
国民一人あたりの負担金は、1億人で割ると、一人当たり
40万円。独居老人の私で、月4万円×10ヶ月。
4人家族では200万円となる。アーメン。


「切腹最中」と「景気上昇最中(もなか)」

2011-04-16 10:59:13 | 虚無僧日記
東京からの来客が、「おみやげ です」と持ってきてくれた
お菓子は、なんと「切腹最中」に「景気上昇最中」。
ギョギョギョのギョ!?。「最中」は「もなか」で大笑い。
「最高においしい“もなか”です」と言うが、東京通の
私でも聞いたことが無い店だ。

「最中(もなか)」は あまり好きではないのだか、これは
違った。餡は 甘さ控えめで、皮も薄く、歯ざわり良く、
絶妙のバランス。三つも食べてしまった。

ネットで検索すると、新橋のマッカーサー通り。
ビルの一階にある小さな店だった。

店の名は「新正堂 ( しんしょうどう) 」
東京都港区新橋4-27-2
TEL:03-3431-2512
FAX:03-3431-2548

創業は大正元年だが、「浅野内匠頭が切腹した田村屋敷の跡」
ということで、「忠臣蔵」に因んで『切腹最中(もなか)』を
考案したそうな。大胆不敵、思い切ったネーミングだ。
カタチも、モナカの皮から餡がはみ出している。見ように
よってはグロテスク。

何か不始末をしでかして、お詫びの験(しるし) にと、企業
さんあたりが買い求めるとか。でも「相手次第で、逆効果にも
なりかねないから、要ご注意」と、消費者からのコメントも。
東電が被災者に謝罪に行くのに持参したら、賛否両論、大変な
騒ぎになるかな? なんて、この時期考えてしまう。


もうひとつ、『景気上昇最中』。こちらはいい。「黒字の
願いを込めて黒糖を使い、縁起の良い小判型」にしたとの
こと。日本全国、今、たくましく復興の気運が高まっている。
大量に資金がバラまかれ、景気も上昇するだろう。

「黒糖はカルシウムや鉄分などのミネラル、ビタミン類を
たっぷり含んだ 栄養価の高い自然食品で、疲れた体と脳に
活力を与えます。『景気上昇最中』を食べて、イライラを
解消し、集中力をアップさせ、一日も早い景気上昇(回復)を
めざして頑張りましょう」との売り文句。

被災地へのお見舞いに いいかも。


「自販機」不要論

2011-04-16 08:21:26 | 社会問題
自販機87万台、原発0.5基分 業界「節電に努力」 都知事は“不要論”(産経新聞) - goo ニュース


石原都知事が「軒並み自販機が並んでいるバカな国は、
世界中にない。自分の家で冷やせばいい」と発言。
これに対し、蓮舫担当相が、「経済活動に影響が出る」と
異議を唱えたとのこと。私は石原都知事に賛成だ。

ヨーロッパやロシアに尺八の公演で行った時。かの地は、
やたら乾燥している。一曲吹くたびに 口の中がカラカラに
なって尺八が吹けなくなる。それで、ビル内や屋外で
「自販機」を探しても、どこにも無いのだ。日本なら50mも
歩けば有るというのに「なんて遅れている国か」と思った
ものである。

だが その時、20年も前「地球村」代表の高木善之氏の
講演を聞いたことを思い出した。「自販機は、ヨーロッパ
各国では設置を禁止している」というのだ。今は違うかも
しれないが、 「冷却に フロンを使用しており、日本では、
毎年、何万台もの自販機が古くなって壊され、フロンを
空中に放出している。こんなバカな国はない。日本は
環境よりも企業の利益が優先されている」というもの
だった。

また、レストランにはいって、ビールを注文すると
「ホットか アイスか?」と聞かれて戸惑った。外国では、
ビールも冷やさず常温で飲む。日本人客のために、特別
冷やしたビールを用意しているという。

自販機は東京電力管内に87万台。最大消費電力は 福島
第1原発1号機の出力の半分以上に 当たるそうな。

日本では、コンビにがあちこちに有り、そのコンビニの
前に自販機まで置かれている。コンビ二で買えば済む話だ。


そうそう、木曽の山中を虚無僧で旅をしていて、道路脇に
「自販機」があった。喉も渇いていて、1本飲もうかと
近寄ったら、ごみ箱が無い。「空き缶はお持ち帰りください」
との張り紙。空き缶を手に持っては 尺八も吹けない。結局
飲むのをあきらめた。そして、まもなく行くと湧き水があり、
「ここの清水は飲めます」とのこと。山の中まで自販機は
要らないのだ。変だぞ ニッポン。