落語『袈裟御前』
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え~、「北面の武士」てぇのは、御所の警備員、皇宮警察ね、
いわゆるエリートですわ。エリートの侍がなんで仏門に
入った?これにはそれ相当のわけがある。友達が聞ぃたんや
「おい盛遠、お前なんで 仏門に入ったんや?」盛遠ひとこと
「ほっとけ」。
本当は、ある女性に心を奪われた。気ぃ付けなはれや、昔も
今も 女性のために身を誤る男の多いぞよ、政治家から
我々の仲間まで、名前は言ぃまへんで……、愛人さん
いらっしぁ~い!
盛遠が心動かされましたのが、これが「袈裟御前」といぅ
絶世の美女。木曽(源)義仲の想い者が巴御前、義経の愛人が
静御前。で、袈裟御前、別嬪・美人ばっかり。
「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿がユリの花、
しなだれかかるフジの花、いっぺん下からツキミソォ」。
ほかの花では具合悪いんですよ。「立てばオニユリ、
座ればドクダミ、歩く姿がトリカブト、しなだれかかる
ボケの花」て、アホみたいなもん。
ところが「袈裟御前」は、従兄弟の「渡辺渡」の妻だった。
人妻ゆえにわれ恋ひめやも。「盛遠」 とぉとぉ片思いが
高じて、袈裟御前に詰め寄った「こりゃ袈裟、おとなし
く我が思いをかなえさせ。さもなくば、その方の母親を殺し、
自らは腹掻っさばいて死ぬ覚悟。どぉじゃ?!」
不適切なる関係を迫ったわけでございます。
さて、ここで問題。母親の命と引き換えに不倫を強要され
ました袈裟御前は、果たしてどのよぉに対処したでありま
しょ~か? 次の三つの中からお答えください。
その1.貞女両夫にまみえず、頑として首を縦に振らなかった
「嫌でございます」
その2.まぁ一回ぐらいえぇやろ。黙っときゃ分かれへんねんし
「まぁえぇやろ、どぉぞ」
その3.お互いに妥協案を話し合う、半分だけ譲歩した。
つまり、袈裟御前は体を与えずに、キッスだけで堪忍してもろて、
その代わり お母さんは殺さずに半殺しにしてもらう。
さぁ、この三つのうちどれでしょ~か? 正解者多数の場合、
抽選でお一人の方に四泊六日のハワイ旅行へ、行く人を
見送っていただきます。残念ながらこん中に正解はございません。
袈裟御前はこのよぉに答えました。
「わたくしは夫のある身でございます。いっそのこと、夫を
亡きものに。さすれば、あなた様のみ心に沿えましょ~ほどに」。
何ちゅう悪い女や……、夜叉、鬼、悪魔、エクゾシスト、オーメン、
実際はせやないんですよ、本当は自分がその身代わりに寝て殺
されよといぅ腹ですねん。そぉすると、お母さんの命は助かる、
夫に不貞を働いたことにならん、盛遠の気も済む。一石三鳥と
いぅことで、まさに貞女の鑑、これぞ大和撫子、麺のシコシコ。
言ぅたら悪いけど、いまの女性、手当たり次第に男あさり。
お父さん心配や。「こらッ、毎晩まいばん夜遊びしやがって、
お前ヒョッとしたら男できたんと違うか? 男、できたんか?」
「そんなもん、分かるかいな、産んでみんことにわ」。
お父っつぁん三日ほど寝込んだ。
男は弱わなったんやねぇこの頃。あの~、新婚旅行で新妻に聞いた。
「お前なぁ、俺の前に何人男知ってる?」これは聞ぃてはいかん。
嫁はんプイッと横向いてしもたから、男「ごめ~ん、かんにん。
怒らんとこっち向いて、頼む」言ぅたら、嫁はん「シ~ッ、
いま何人か数えてるんや。あんたの指も貸して」
さてその夜、「今朝」じゃない「夜中」。今朝、袈裟に言われた
通りに、盛遠が屋敷に忍び込み、教えられました部屋の前まで
やってまいりまして、静かに戸をばス~ッと開けますと、中は
もぉ真っ暗闇。抜き足、差し足、忍び足、洗い髪手がかりに、
ここぞとばかり 刀をズバッ!と。切り落とした首をば 小脇に
抱えまして、ツツツツ、ツツツツ~ッと表へ出て、月明かりに
かざして見るとぉ。「アァ~ア~ッ!」 これが何と「渡」の
首と思いきや、愛しぃ恋しぃ「袈裟御前の首」。
「あぁ~ッ、そぉであったのか……」。全てを悟りました
遠藤盛遠、これからは袈裟御前の霊を弔うがために、家も捨て、
武士も捨て、名も文覚と改めまして、月もろともに旅をする。
そして、三十一日間といぅ「断食」を行った。えらいこと
でんなぁ、三十一日間、一切物食わなんだやで。三十二日目に
なったらもぉ腹減ってしゃ~ない「ここまで修行したからにゃ、
もぉよかろぉ」と、付き人が差し出した朝ご飯「あぁありがたい、
久しぶりや」と、箸で食べよぉと思たんですが、なんぼ食べよと
思ても、ご飯が口からパッ、パッと飛び出る。
「おかしぃな?」食べれない、お腹はグゥグゥいぅ「お腹は
減ってんのに何でこない朝ご飯が食べられへんのかいな?」と
思て、よぉ考えたらそれもそのはず……
【さげ】
今朝(袈裟)のご膳(御前)が祟ってた。
という「袈裟御前」といぅお噺、どぉも……おそまつ。
遠藤盛遠と袈裟御前の話は『平家物語』には無いそうだ。
異本では「遠藤盛遠」ではなく別人になっている。
『平家物語』では「遠藤盛遠」は「ある事情で出家した」
とあるのみ。
「袈裟御前」との話は『源平盛衰記』にあるとのことだが、
ネットでみた『盛衰記』には「生年十八歳にて、糸惜き
(いとおしき)女に後れて髪を切て遁世しき」とあるのみ
だった。
「異本」の方に書かれているようだが、いつ頃書かれたのか
が気になる。芥川龍之助、菊池寛、吉川英治も書いている
のだが、それぞれかなり脚色していて、年齢など事実と
つじつまが合わないのもある。
落語に『袈裟御前』というのがあるらしい。
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【主な登場人物】
遠藤盛遠(後の文覚上人)・袈裟御
源の頼朝が鎌倉幕府を開いたのが、え~、覚え方、習いましたやろ、
「イイクニつくろで1192年」
その「頼朝」のお父さんといぅ方が「源義朝(よしとも)」。
平治の乱で平清盛に敗れて、京を逃れ、終わりは尾張の国、
野間で殺されてしまった。
そして、捕らえられた頼朝は、命助けられ、伊豆へ流された。
二十年間 伊豆で暮らしてたんです。伊豆で……、踊り子と
遊んだり。そこへやってまいりましたのが「文覚上人」。
「もんがく しょうにん」
「上人」ちゅなね、お坊さんのこと言ぃまんねん。日蓮上人、
親鸞上人、ベニスの商人。
「文覚上人」、京都から「平家追討」の院宣を携えてきた。
もひとつ、首にぶら下げてきたのが、なんと父「義朝公」の
しゃれこうべ。それを、頼朝の前に差し出して、「さぞ、
お父上は無念でございましたでしょ~」と、仇討ちを
そそのかす。
でも、見たらお父っつぁんの頭蓋骨、なんか小(ち)っこ
かったらしぃ、疑問に思った頼朝「父上のにしたら ちょっと
小っさいのんとちゃう?」。すると文覚上人 答えていわく
「それはお父上さま“8歳”の時のものでして」。
文覚さんちゅうのは口八丁、手八丁、ああいえばじょうゆう。
生易しぃボンさんではございません。荒法師、修験者。
京都から8日で空飛んできたというんですから。
十九歳のときに出家をいたしまして、和歌山の那智山に
篭(こも)ること千日。冬の寒いときは首まで滝壷につかって
呪文を唱え、また夏の暑いときには素っ裸でもって 竹薮で
暮らしながら呪文を唱えた。「坊主が屏風に上手に坊主の絵を
描いた、坊主が屏風に……」。ヘビ・カエル・ムカデ・ゲジゲジ・
ケムシ・ミズムシ・チャワンムシ……、夏ですからどんどん
出てまいります。緊張の連続ですなぁ……、日本の夏、
緊張の夏。
そして頼朝を担ぎ出して平家討伐を企むといぅ坊さんですから、
根性が座わっております。それもそのはず、この方は本名を
「遠藤盛遠(もりとぉ)」と申しまして、北面の武士。同僚に
平清盛、のちの歌の名人西行法師なんかがおったと申します。
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※ そう、40年ほど前、私は「鶴が岡八幡宮」の宝物館で、
たしかに「義朝8歳の頭蓋骨」というのを見た記憶がある。
※ 平清盛と盛遠は20歳離れているので、「同僚」では
ない。
福田蘭童の『新日本道中膝栗毛』にも書いてあった。
「頬がふくらむような吹き方は素人。臍下三寸、丹田に
力をこめて息を吐くのだ」と。
「息は肺で吸うもの、吐くもの。腹に空気は入れられない」と
思っている人には、これが理解できないようだ。
「お腹を出して息を吸う」。そこまでは「腹式呼吸」の
本に書いてあるのと同じ。しかし「腹をへこませて息を
吐く」のではない。吐く時も下腹に力を入れる。すると
腹が突き出る。背中まで膨らむ。骨盤も開くのだ。
これが「逆腹式呼吸」。
エクササイズ
① 夜寝る前に、仰向けになって、腹の上に電話帳の3冊も
乗せて、腹の筋肉を鍛える。
② 下腹を両手で激しく叩く。1日20分。私はトイレで
これをやる。お通じもいい。脇腹のメタボも解消した。
大腸ガンが治ったという人もいる。
腹に力を入れて、“気”を吐くから、音が“気”となって
相手の心に伝わるのだ。
南洋の国の人と日本のビジネスマンとの対話。
「そんなに、あくせく24時間働いてどうするんだ?」
「会社で認められ、出世したいからさ」
「すると、どうなる?」
「家族にも、満足な生活をさせられる」
「それから、どうする?」
「老後は、南の島に別荘でも買って、のんびりしたい」
「なんだ、そんなことなら、ワシはもうしてるさ」
『格差社会』に、考えさせられる話ではないか。
反「原発」の替え歌を見つけました。
『どうにも止まらない』の替え歌
1.噂を信じちゃいけないよ、
政府の言葉は嘘なのさ
理想の 電力 夢を見て、
金を得るのが好きなのさ
今夜はポンプで水を入れ、
明日もまたまた水を入れ
あふれた水は垂れ流し
熱い心棒冷やそうか
ああ金になる ああ金になる、
造った後は 原発しだいなの
ああ放射能 ああ原発は、
もう どうにもとまらない
ご存知『圭子の夢は夜開く』で
1.赤くなるのは 核燃料
白く出るのは 水蒸気
どうすりゃ いいのさ この廃炉
放射線は よく 広がる
2.1号 2号 3号と
福島の原子炉 ヤバかった
過去はどんなに 隠せても
湯気で 夜 被曝
3.きのう1号 きょう2号
あすは3号 4号か
嘘は はかなく熔けてゆき
湯気で 夜 被曝
4.夜の会見 嘘の花
夜飛ぶニュースも 嘘の花
嘘を魚に 飲ませれば
湯気で 夜 被曝
5.ベントするよな ガラじゃない
停止するよな ガラじゃない
よそ見してたら 泣きを見た
湯気で 夜被曝
6.1から6まで ボロでした
ボロにゃ未練は ないけれど、
忘れられない 事故ばかり
湯気で 夜 被曝
「クレヨンしんちゃん」は アスペルガー症候群だそうだ。 エジソン、 アインシュタイン、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ・・・ 天才といわれる人は大抵アスペルガーらしい。
空気よめない、あの鷹揚とした、ものに動じない性格がいい。
私もそうかも。ところで「野原しんのすけ」の名前の由来だが。
父親のひろしが生まれる子供に「しんいち・とものり・すぐる・けんた」の
4つの名前を考えて紙に記していた。それが、産婦人科へ
向かう途中、雨で濡れて、一部が消えてしまった。残って
いたのは5文字。「しん」いち・とも「の」り・「す」ぐる・
「け」んた で「しんのすけ」になったからだとか。
「野原しんいち」だったら、私 ( 牧原伸一 ) と一字違い。
それも「野」と「牧」では意味も近い。私は「エンピツ
しんちゃん」と あだ名されていたっけ。
「気にしない、気にしない、おかまいなく」の性格は
似てるかも。
北島三郎『函館の女』のフレーズ「と~ても 我慢が
できなかったよォ」は、超 強烈なインパクトでした。
作詞家の「星野哲郎」氏が、トイレを我慢しながら、
最後の歌詞をどうするか 思い悩んでいて、とうとう
我慢しきれなくなってトイレに駆け込んで、シャーと
しながら「これだ!」と思いついたそうです。
永谷園のお茶漬けのCMはじめ、「替歌」で いろいろ
歌われているようです。『箱だけの女』は面白かったです。
ホントに箱だけ送られてきた実話だそうです。
元の歌は… ↓
♪ はるばるきたぜ 函館へ~
逆巻く波を のりこえて
あとは追うなと 云いながら
うしろ姿で 泣いてた君を
思い出すたび 逢いたくて
とてもがまんが~ できなかったよ~ ♪
僕が作った替え歌は… 「お布施ゼロの日」↓
♪ 中身はカラだぜ 箱だけ~
逆立つ髪を なだめつけ
何も乞うなと 云いながら
箱を抱きしめ 泣いてた俺は
思い出すたび 開けてみる
やっぱり中身が~ ほしかったよ~ ♪
ついでに お下品な シモネタ ですが、ネットで。
詠み人知らず『矛(ほこ)立ての人』。
は~る(春) はる(春) 来たぜ ホコ(矛) 立て~
さ~かだつ なにを なでつけてぇ
あとは“女”と 云いながら
うしろ姿で 寝ていた君を
思い出すたび やりたくてぇ
と~ても 我慢が~ できなかったよ~ ♪
これ「一休」さんじゃ。
盗作話「売る虎万太郎 対 虎右衛門」
昔々、虎の皮を売る万太郎という青年がいました。
彼の あだ名は「売る虎万(ウルトラマン)太郎」。
実は彼は弱虫で、虎を捕らえることができません。
「誰か、私の代わりに 虎を捕らえてくれたら、
なんなりと お礼をさしあげます」。
「よっしゃ、せっしゃが捕らえてしんぜよう」と
一匹の猫が名乗りでました。
猫は、白い紙と筆を用意して、紙に「虎」の絵を
描きました。
「はい、どうぞ虎の絵です」
「わかっトラんな。本物の虎を捕らえてこい!」
「ですから『虎の絵』で、とらえ(捕)てござる」
「ムムム」
「『褒美はなんなりと』との仰せ。ならば『どら焼き』を」
以来、その猫は「どらえぇもん」と呼ばれるようになりましたとさ。
「虎の威を借る猫」=トラ猫。
昨日の某TV番組で 出たクイズ。
K子さんは 親に 冬もののコートを買ってもらうため、
父さん母さんとともに 衣料品店に行きました。
気に入ったコートがあったので、試着室で着てみて、
出てきたところで、父母娘三人が同じ言葉を発しました。
しかしその意味するところは違ってました。
さて、同時に発した言葉とは何でしょう。
正解は「あったかい」
K子さんは「ア~暖(あった)か~い」
母さんは 値札を見て「あぁ 高い!」
父さんは「(いいのが) あったかい?」
もうひとつダジャレ
「普化(ふけ)は 老(ふ)けて、尺八を吹けなくなった。
それで、風穴(ふけつ)禅師より、「尺八を吹け」と言われたが、
こそこそトンずらしてしまった。それで“逃げる”ことを
「ふけたな」というようになったとか。
「猫の魂(たましい)」
昨日の夕方、薄暗い住宅街を時速 4~50キロで
走っていたら、突然黒ネコが飛び出してきた。
急ブレーキを踏んだが「ヤッてしまったー!」と思った。
おそるおそる車を降りて、車の底を見たが
なんともない。ネコの姿は見られず。
無事すりぬけたか。
ホっとして 走りだすと、しばらくして、
うしろから仔猫を口にくわえた黒ネコが走ってくる。
どこまでもどこまでも追っかけてくる。
ゾォォ-!
「クロネコヤマト」のトラックでした。