おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

「東電2270億円の黒字」のなぜ!?

2015年01月23日 | Weblog

 

午前6時の気温はマイナス2度。

雪が降っておりますが、積雪は1センチ程度。つい先ほどから降り出したのでしょう。

この時期、朝の気温がマイナス2度とはねぇ、、、

今年は暖冬ということになるのかしらん。

あまり厳しくない冬、好きです!!

さて、

きのうのTV朝日・モーニングバードは観ましたか?

木曜の大注目コーナー、そもそも総研では「東電が2015年3月期に2270億円もの黒字」の謎について取り上げておったです。

東電のこの黒字の水準は、驚いたことに震災前とほぼ同じなのです。

でもって、社長が会見で申しておるのは「1番は福島の皆さんだ」といいつつ「従業員が大切なので給料を上げたい」のだそうな。

一般の会社なら、自社の利益が増えたのですから従業員に還元するのは当たり前。

しかも2000億円を超える利益ですから、従業員だって、努力したのだから給料は当然上がるだろうと思っておるかも知らん。

ところが東電社長が「いの一番」に考えねばならんとしておる福島の人々は、そうは思っておらんのです。

なぜか?

全町民が避難している福島県浪江町の馬場町長はこう話しておる。

「私どもは全国的に避難しており、その苦しみ、故郷を追われた悲しみを東電は理解しているのか?」と怒りを隠さないのです。

現在浪江町は町民1万5000人の代理人として、原子力損害賠償紛争解決センター(ADR)に、月額10万円の慰謝料の増額を求め、申し立てをしておるという。

このADRというのは第三者機関で、この浪江町の申し立てに対して、75歳以上の町民に月額8万円の増額を、その他の町民に5万円の増額が妥当だとしたそうな。

しかし東電は一律での回答には応じられないとしておるとか。

あれ? 東電社長は福島県民が1番だとしてはいなかったか?

ようは、浪江町でこれを許すと東電は「県内の他の町村にも波及する」と思ったためのようだ。

なんのことはない、福島県民を1番に優先しておるというのが真っ赤なウソなのだから呆れます。

だけど東電には3つの誓いというのがある。

1.最後の一人まで賠償貫徹

2.迅速かつきめ細やかな賠償の徹底

3.和解仲介の尊重

いやはや、ちゃんと「和解仲介の尊重」と誓っておるではないですか。

ビックリじゃ!!

浪江町の町長によると、小学校6校と中学校3校に通っておった子どもたちは、現在全国の699校に分散しておるという。

そうした実態を見て、出てきたのが第三者機関であるADRの仲介案だそうな。

これに対し東電はこう回答したという。

「引き続き真摯に対応して参ります」だ。

馬場町長にこの増額にかかわる原資がいくらか聞いたところ「200億円」だという。

2000億円を超える利益を上げて、200億円にそっぽを向いておるんが東電でござる。

仮に泊原発で過酷事故が起きても、北電の対応は似たりゴンベだろうねぇ、、、

サブいぼが出てきますなぁ、、、

そんなこんなで、なんで東電がこんなに黒字なのか?

まことに疑問だ。

元経産官僚の古賀茂明さんは、自身の持つルートを通じて調べたそうな。

それによると、まずは例の「総括原価方式」。

コストを削らず増やした方が利益が上がるという、まことに困ったこの総括原価方式のおかげで、東電にはこれまで「コストカットの経験」がまるでなかったのだという。

一般企業の皆さんなら仰天する話でござる。

だけど、原発が稼働しなくなり「贅肉が多いのでコストカットしてみたら、とんでもないコスト削減ができちゃった」。

そして黒字になったのだというから、これまたびっくり仰天でござる。

古賀さん曰く「初めてコストカットしたらこうなった」ということだそうな。

まだ2年でこれだけのコストカットだから、この先はもっとコストカットできると古賀さんは申しておりました。

東電はこの間、第三者による「調達委員会」を設置したので、更なるコストカットができるかもしれないというのだ。

東電の社長に、日産のカルロス・ゴーンがなってたら、どんだけコストカットが出来たろうねぇ、、、

そんなこんなで、果たして電気料金の値上げが必要だったのかというお話にもなる。

古賀さんは「他の電力会社もコスト削減により、再稼動しなくても料金の値上げは必要なくなるのではないか」と述べておる。

今回東電は驚くことに「約8000億円」ものコストカットが実現したのだそうな。

80億でも、800億でもないのです。8000億円のコストカットって、凄くないか!!

天文学的なコストが削減されておる。

そしてコストアップ要因が約6000億円だそうです。

どう考えても、考えなくても、その差し引きが今回の黒字になってくる。

そんなことですから、我が北海道電力でも同様のコストカットをすれば、あっという間に100億円単位のコストカットは可能ではないのかね?

なにせ、総括原価方式で「コストカットの経験がない」のが、地域独占に支えられた電力会社なのですからね。

いいかえればコストカットの処女なのです、ってもっと変か?

とはいえ、2016年には家庭用電力の自由化がやってくる。

だから経産省は「税金または電気料金で原発を保護する」と言い出したのでしょうな。

地域のあちこちに新電力会社ができて、それぞれちゃんとした民間企業ですからコストを減らして電気を生産する。

そうなれば、そもそもコストカットなどしたことのないこれまでの電力会社が経営する原発では、新電力に太刀打ち行かないってことになりかねない。

なにせことコストカットについては処女なのだ!!

原発ってのは、とんでもないカネ食い虫、当ブログの読者ならご存知のように、別な言い方をすれば錬金術だったわけ。

政治家も経産省も原発を止めたくないわけだ!!

そんなこんなで、一旦過酷事故が起きれば、保障するおカネさえちゃんと貰えないのが原発過酷事故の現実だ。

電力会社は、ちゃんとコストカットさえすれば、原発が無くてもドデカイ利益が出たってこと。

原発賛成派があれこれごたくを並べたとしても、もはや原発は完全に不要だと、これではっきりわかりました。

ったくもう!! って話ですぅ~