心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

二度目のペイ・フォワードを見て

2009年04月16日 | 雑感・愚見
この映画は、
社会科の授業で先生が生徒たちに「君達の手で今日から、世界を変えてみよう。」
という課題を出されます。次の授業でそれぞれの生徒から色々なアイデアが出されるなかで11歳の少年トレバーが提案したアイデアが、

①それぞれ一人、一人が、3人に善意を贈ること。
②その善意を自分に返してもらうと善意のエネルギーはそこで完結してしまう。
 だから、善意を自分に返してもらうのではなく、他の誰か3人に善意を贈ってもらう。
③すると善意のエネルギーが当事者間だけで完結しないで世界に広がっていく。

このようなアイデアを提案します。そして、少年トレバーが自ら実践していく中で、
関わる人たちの生き方に大きな影響を与えて行きます。

この映画を見て思い出した事が一つあって、これとてもローカルな話なのかもしれません。
私が中学生の頃に「不幸の手紙」というものが問題になった時がありまして、
送り主の記載が無いまま送られてきたそのハガキには、
(不幸の手紙と言うのですが、私たちの地域では何故だか媒体はハガキを使用。)
確か、次のような内容が書かれていました。

「この手紙を受け取った人は、(ハガキだっちゅうの。)
一週間以内に同じ文面の手紙を(ひつこいけどハガキだっちゅうの。)
7人に送らなければあなたは大変な不幸に見舞われます。」

こんなものを受け取った人は、いい気がしないものですし、
人なんていうものは、そもそも弱いものですから、
ハガキに書いてある通りに、7人に送る人が出てくるわけです。
となると、当然、連鎖によって広がりを見せ、学校でも取り上げられるほど問題になりました。

この不幸の手紙は、元々は、全く逆の「幸福の手紙」というものがスタートで、
「同じ文面の手紙を一週間以内に7人に贈ると幸せになれます。」
という内容だったということを後々に聞きました。
手紙も贈り物も中身が違えば大違い。

幸福の手紙は広がりを見せなかったけれども、不幸の手紙は広がりを見せ、
これとよく似たシステムを使った自分の利益となるマルチ商法も
ウイルスの如く死滅することなく生き残っています。

このことは、私も含めて人は自分の欲や恐れに対して行動を起こしやすいけれども、
人の喜びのために行動を継続することは容易くないことを
示している気がします。悲しいことですが現実です。

何年も前に、このペイ・フォワードを初めて見たときに感動し、感化され、
ヨシ!トレバー少年に成り替わり自分が起点になってやろうと
決意したこともあったのですが、情けない話、いつしかどこえやらです。

この度、2度目のペイ・フォワードを見ながら以前のことを思い出し、
自分が、上手くやれなかった原因について振り返って考えてみると、
見返りを求めず人に善意を贈るのは、問題ないないのですが、
私にとっての一番のハードルが、お礼を言われると、
ついつい、「いえいえ、どういたしまして。」とか、にっこり微笑んでしまったりとかして、
善意のエネルギーが当事者間で完結してしてしまう。

その度に心の中で、違う違うとか、駄目、駄目と思いながらも、この一番肝になる
「他の誰か3人に贈って下さい。」の言葉が言えない。
照れるというか、何と言うか、自分には、これが本当に難しい。

自分を変えることさえ出来れば、
世界なんてものは、案外簡単に変わるもの。そう思います。

催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計

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