心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

グレーゾーン

2011年10月08日 | 雑感・愚見




ほとんどの男は逆境に耐えられる。

だが本当の姿をテストしたいときは、その男に権力を与えると良い。 

―エイブラハム・リンカーン

この言葉の意味を皆さんはどの様に理解しているのでしょか。



パッと読むと「なるほどなあ。」とは思うのですが、

リンカーンがこの言葉で本当に伝えたかったことが、

何だったのかが私には良く分からないのです。



この言葉を一人の誰かを指して言ったものなのか、

自分自身に向けて言ったことなのか、

それとももっと広い意味で言ったのか、

権力を持った時こそ自分を強く律する必要があると言いたかったのか、

権力を持つ人にはそれにふさわしい人物でなければ

国民を苦しめ国を滅ぼすと言いたかったのか、



この言葉の意味を真に理解するには

この時のリンカーンの周りの状況がどうであったかとか、

人物をもっと知り、理解が深まることが必要なのかもしれません。



リンカーンの奥さんはとにかく酷かったようで、

四六時中、リンカーンをけなし続けていたようで、

それは、客人がいてもお構いなしに怒鳴りつけたり、

理由もなくコーヒーを顔にぶっかけたりと

リンカーンにとって暗殺されたことよりも

結婚生活の方がもっと不幸だと言う人もいるぐらいです。



それに照らし合わせると、

逆境に耐えることが出来る。(フムフム。耐えていましたから。)

本当の姿。「俺は惨めで情けない男性ではなくて本当の姿は凄いんだぞ~。」

と言いたかったのだとすると大統領の名言と言うよりも

一人の男性の心の叫びですね。



その人の(自分の)その時点の本当の姿が現れる時と言うのは

別に権力を与えなくとも他にもありまして、

明らかに正しい時、明らかに間違っている時ではなくて、

そのグレーゾーンの時にどのような判断をするかがあります。



いつもはちゃんと順番を守る人がビル火災が起きた時に、

他の人を押しのけてでも先に逃げようとしたり、

自分の会社の不正を告発すれば倒産することが確実視される時とか、

そして独身であるならまだしもですが、

その時の自分に奥さんもいて子供もいたとしたならのような場合です。



そんな時に自分ならこうすると思ったとしても

実際にその立場にならなければそれは分からないものです。



そして、そのような時にその人がどの様な選択をしたとしても

その選択の是非については、

直接不利益をこうむった人が何かを言うことはあっても、

部外者だけでもその人の苦しい胸の内を

少しは汲みとってあげたいものです。


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