心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

強迫性障害

2018年10月28日 | 心理カウンセリング

2006年 26年間、アパートの自分の部屋から

一歩も外へ出なかった50代の女性が

病院に運ばれました。

 

女性は、インフルエンザにかかって以来、

病原菌から逃れるために

自分の部屋に閉じこもっていたそうです。


誰にでも日常生活のなかで

大なり小なり気になることや不安を持つことは

あるものですが、一度確認することで、

また確認せずともまあ大丈夫だろうと流したりで、

気持ちを切り替えることができるものです。


ですが、強迫性障害と言われる心の状態になると

何度確認しても特定の考えや不安が消えずに

度が過ぎる行動を繰り返してしまいます。


強迫性障害のよく現れる強迫行為としては、

次のようなものがあります。


確認恐怖・確認強迫

火元を消し忘れていないか、

電気のスイッチを消し忘れていないか、

鍵のかけ忘れていないか等、

何度も確認行動をします。

 

不潔恐怖・洗浄強迫

自分の身体や自分の持ち物が汚れてしまう。

また汚れてしまっていると感じて、

特定のものに触れることが出来なかったり、

手洗いや入浴を必要以上に繰り返し行います。

 

加害恐怖

「誰かを傷つけたかもしれない。」という強迫観念から

罪の意識や不安に苦しみます。


・あの時、車で誰かを跳ねたかもしれない。

・駅の階段でぶつかった人が、階段から転げ落ちて

 大けがをさせたかもしれない。等。

 

不完全恐怖

完璧を求め続けてしまいます。

真理を追究するとか、最高の仕事、最高の作品を

作ろうとするというような生産的な気持ちからではなく、

完璧でないことへの恐れや不安から

完璧を求め続けます。


縁起強迫

自分や周囲の人に何か悪いことが

起きるのではないかと不安になり、

その不安を消そうとして

縁起を担ぐことを止められなくなり、

縁起に沿った行動で日常生活を送るようになります。


精神的健康な人も、縁起(ジンクス)を

一つや二つ持っている場合もありますが、

時と場合に合わせて、

優先順位を柔軟に変化させることが出来ます。

 

ですが強迫性障害の方の場合には、

最後の最後まで縁起(ジンクス)を優先することで、

日常生活に支障をきたしたり、

問題を起こしてしまいます。


その際の縁起は、

占いや一般的に知られたものだけではなく

その個人だけが取り決めたものもあります。

 

ある人は、目についたマンホールを

足で踏むという縁起を持ち、

会社に毎日遅刻した結果。。。


収集癖・ため込み

不必要なものでも捨てきれないために

ため込んでしまいます。


一時テレビで話題になったゴミ屋敷の住人は、

この可能性があります。


また物品だけでなく情報を収集しようとして

勝手に立ち入り禁止の場所に

侵入してしまうこともあります。


疫病恐怖

感染症を恐れて、血液を連想させる赤いものや

公衆トイレ等を恐れます。


強迫性障害の方は、

ふっと頭に浮かんだ心配や不安なことが

頭から離れずに、そのことに意識や気持ちが奪われ、

さらに悪い思考が生み出され

怖れや不安を強くしてしまいます。


この恐れや不安を解消しようとして

確認行為をしますが、

怖れや不安が軽減しても一時なものにすぎず

そう時間を置かずに同じ恐れや不安が

頭の中に浮かびます。

 

このような不合理な確認行為について

「気にしすぎている。」「全く無駄なことをしている。」と、

本人が自覚している場合もありますが、

不合理であることの自覚が

非常に薄くなっている人もいます。


心気症

実際にはどこも悪くないのに

体調不良や病気を過度に心配するのが

心気症と言われる状態ですが、


過度に心配することで心労から

実際に身体の怠さや眩暈など

変調を引き起こすことがあります。


医療機関で診療や検査を受けますが、

医療機関から「異常はありません。」の診断をされても

見過ごされているのではと不安を感じて

他の病院で検査を受ける行為を繰り返してしまいます。


強迫性障害との違いは、強迫性障害は

恐怖や不安の対象となるものが具体的ですが、

心気症の場合、漠然とした疾患への恐れや不安であり、

具体性に欠けるのですが、

この症状は強迫性障害、この症状は心気症と

分けることにあまり意味が無いように思います。

 

それぞれの症状は違っていても

強迫性障害に陥る人には、

・完璧主義・責任を感じやすい

・些細な心配を過大に捉える等の

性格的な共通点がみられます。


ではあるのですが、

そのような性格の特徴がある人が

必ず強迫性障害に陥るという訳ではありません。

 

強迫性障害に陥った場合ですが、

数回の施療で改善するようなことは極稀で、

医療機関での薬を併用して

粘り強く施療に取り組む必要があります。


改善のポイントとしては、

上に書かせて頂いた内容の中にあるように、

・不合理な思考や行動を

 合理的な思考や行動へと変える取り組み。

・本人の性格的な特徴を改善する取り組み等が

考えられます。


催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計


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