奄美大島以南に分布して草原に蜘蛛の網を張る
ナガマルコガネクモの生態の一つが
1984年に判明しました。
雄が2回目の交尾中に自らの命を絶ち
雌に身体を差し出すとのことです。
「君の為なら死んでも良い。」
「この命、君に捧げる。」
なんて歯の浮くような甘いセリフで
女性を口説いたり、愛を騙ったりする人も
いるかと思うのですが
昆虫の世界では文字通りに自らの命をかけて
交尾に挑む種がいるんですよね。
交尾の際に不用意に雄が雌に近づくと
雌が雄を食べてしまう生態は、
カマキリ、蜘蛛、鈴虫などにも観られるもので
雄は、交尾を成功させた後は必死こいて
雌から逃げなくては命を落とすことになります。
自らの命の危険を犯してまでも
好みの雌と交尾したいってのは愛と言うよりも
強い性的欲求が抑えきれないからかも。
湧き上がる衝動が恋なのか
性的欲求でしかないのか
私達人間も判断が付かないことが
しばしばありますからね。
しかし、交尾中に自らの命を絶ち
雌に身体を差し出すのは、
カマキリとは違って命を懸けてじゃなくて
命を奉げている訳でナガマルコガネクモの習性って
これこそ究極の愛の形………そうなのか?
命を奉げる的な生殖行動というと
河を遡上した鮭が産卵後に命を落とすのもそうですよね。
このような本能を授かっているのは、
一回の子作りで数多くの子供を産み落とす
種であればこそで、人間を含めた哺乳類に
このような本能が授けられていたら
種が絶滅するのは間違いなさそうです。
とにかくそれが恋や愛にせよ
本能に組み込まれた性的欲求でしかないにしろ
神様からの『産めよ増やせよ地に満ちよ。』の教えが
最重要なんだなと思ったりします。
さてですが多くの哺乳類において
交尾の権利を得るために他の雄と命を懸けて戦い
勝利したものが交尾をすることになるので
肉体的強さを有する個体が優秀な個体であるとして
認識されるのだと思うのですが、
私達人間の異性間や夫婦間で
時折目にする悲惨な暴行事件や死傷事件等を見ると
強さと冷酷さ、残酷さ、暴力性の感受性が
誤ってしまうことがあるようです。
誤って関係が始まったとしても
その後にパートナーに冷酷さ、残虐性、暴力性を
実感しだしたなら関係を良くするために
あれこれと考えるよりも何よりも
その関係から離脱することが重要です。
何とかできるはずとズルズルと関係を続けて
自分の身を悪鬼に差し出すような
最後を迎えるような関係は、
そんなのは愛でも恋でもあるはずがありません。
また悪鬼でしかない人物を
まるで選んで恋をしているかのように
苦しい恋愛を繰り返す人を見ると
幸せになることを恐れているかのような行動に
見えることがあります。
他のカマキリ、蜘蛛、鈴虫と同じ様に
一目散に離れることが最優先課題で
そうして自分の身を安全にしてから
必要であれば心の問題に取り組むことが大切です。