１０月某日の夜、仕事を終えてほっこりしていたら
何やら外で言い争う声が聞こえてきたと思ったら
次にパトカーのサイレンが………。
私の仕事場の近くには小さなスナックがあります。
このご時世にもかかわらず
コンスタントにお客さんが来ているようなので
魅力的なお店なのだと思います。
客の中には、ホステスを口説いてやろうなんて
下心を持つお客さんとか、ホステスとの会話やカラオケを
楽しむために来ているお客さんとか年代層も色々。
スナックは、クラブやキャバクラとは違って
飲物やちょっとした食べ物を提供したり、
酔客の会話の聞き役になったり、話を盛り上げたりと
一人のホステスが複数のお客さんを担当する訳ですが
お酒が入って気が大きくなっていたりするものですから
居合わせた見知らぬ客とトラブルが起きたり、
仲間内でもちょっとした冗談やからかわれたりすると
お気に入りの従業員のホステスなのか
ママさんなのか分かりませんが、お店の女性の前で
恥をかかされてたまるかと思うのか、
弱っちい奴と思われたくないのか、強い男だと思われたいのか、
普段なら喧嘩にならないようなことでも
「テメ—――ッ」てな感じで始まるわけです。
私の近くのスナックの客層が良いのか、
ママさんがしっかりしているのか、
お客さんを上手にさばいているのか、
騒がしくなるのは年に３回あるかないか程度で
まあ起きてもすぐに治まっていたんですよね。
今回、起きたトラブルは、
それまでと騒がしいトーンは特に代り映えなかったのですが
現場にやって来るパトカーのサイレン音が
立て続けに続いたものですから
サイレン音のなかで怒号が飛び交う訳です。
思いましたね。
喧嘩の怒号に一番合うサウンドはサイレンだと。
普通の揉め事だと来るパトカーは
１台or２台程度のはずなんですが、
ちょっと数が多かったので
普通の揉め事じゃないかもと思う訳です。
おばあさんが若い男性に馬乗りになって…とは言わず、
マウントポジションからボコボコにしているのかと。
で窓を開けて外をみると
１人の男と１人の警官が揉めている姿が
赤い回転灯の光に照らされていました。
こうなると火事と喧嘩が大好きな
ロシア人の父と日本人の母から生まれた江戸っ子としては
現場に近づいて見物したいと思う訳です。
連なるパトカーを数えたらなんと６台です。
台数が多ければ警官も一杯なわけです。
これは只の喧嘩じゃないなと
とんでもない事件が起きていると思う訳です。
真っ裸のおばあさんがマウントポジションから
若い男性をボコボコにしているんじゃないかってね。
で、おしくら饅頭状態と化している警官の人達へ近づいても
いるのは傷も負っていない若い男性が怒号をあげているだけ。
ではともう一つの塊に近づくと、
こちらも傷一つ負っていない若い男性が
多くの警官の人達に囲まれているだけで
真っ裸のおばあさんの姿は何処にもいない訳です。
これは………ただの喧嘩だな。
誰かがボブ・サップと白鳳が喧嘩していると
間違った通報をしたんでしょう。
ただなあ。興奮状態の若者の定番を見せる訳です。
互いに俺は被害者であいつが先にうんぬんかんぬん。
話を本署で聞きたいと言う警察官に、
俺は被害者だあ。明日仕事があるので御免だね。
いやいや、これだけの警察官が出てきてしまっているので
そう、大丈夫かな。解散！とはもうならないんですよね。
本当に怪我は無いのか、どのような状況で喧嘩が勃発したのか、
告訴するのかしないのか、住所、氏名を確認等々、
警察も確認をして書面に残しておくことがあってですね。
明日が仕事で本当に早く帰りたいなら
現場でああだこうだと言った分だけ帰りが遅くなってですね。
さっさと本署で事情聴衆をして調書作成に協力した方が
早く帰れるのになあ。
腹をすかしている時に運ばれてきた料理に文句を言ったり、
店員の態度がうんぬんで文句を言ったりで
愚かな頭の報いを空腹のお腹が受けると同じかなと。
まあ早く帰宅したい目的ではなくて
警察官やスナックの女性や私を含めた野次馬へ
自分は強いんだぞとか、俺は負けてないぞ的な
アピールであるなら少しは意味ある振舞いとなっているかも。
喧嘩で手を出すのはやめましょう。
何かとややこしくなって
取られる自分の時間、通常の倍では済まなくなりますからね。
手を出すのはリングの上だけにしましょう。
そう言えば我らのチャンプ、井上尚弥選手の試合が近づいています。
今回も強敵なので皆さんで応援しましょう。
