六角堂の拝観を終えて外国人観光客に人気がある錦市場を通り、
次の目的地、建仁寺塔頭の両足院に向かいます。
京都 錦市場
ここ錦市場を端から歩いたのは、
今回が初めてなんですよね。
美味しそうなものが通りの両側から
両方の眼に次から次に飛び込んできて、
イノダコーヒ本店で朝食を食べて静かになっていた
私の食欲を再び刺激してきます。
こんな時にこそ唱える言葉が、「六根清浄。六根清浄。」
京都錦市場 雀の串焼き
友人は、ある店舗で販売していたスズメの串焼きを購入して、
初めて食べるスズメの串焼きに
迷いなくかぶりついたのには驚きましたが、
思い返してみると東京の友人は、他のことにもビビることなく、
躊躇することもなく一歩踏み出すことが出来るんですよね。
初体験のスカイダイビングの時ですら、
臆することなく機体からポンと飛び出した男なんです。
ほんと、最敬礼ものです。
以前に拝観させて頂いた錦天満宮まで突き進み、
四条大橋を渡り花見小路から建仁寺へと向かいます。
建仁寺 北門
以前に拝観させて頂いた建仁寺も素晴らしい寺院なので、
ここまで来て建仁寺をスルーするのは勿体ないのですが、
今日の目的地は、建仁寺塔頭の両足院。
友人が京都で一番好きな所が詩仙堂だと知っていたので、
ほどほどの敷地ながらも静かで落ち着けそうな所として、
私が提案した建仁寺の塔頭『両足院』へと向かいます。
建仁寺塔頭 両足院(りょうそくいん)
建仁寺塔頭の両足院は、普段は非公開なのですが、
この日は、初夏の特別公開を絶賛開催中なんです。
両足院 毘沙門天堂
このお堂に祀られている毘沙門天像は、
豊臣秀吉の軍師、黒田官兵衛の長男『黒田長政』が、
東軍として参戦した関ケ原の合戦の際に、
内兜に納めていたもので、
その後、黒田家代々に信仰されてきましたが
明治十年に両足院に寄進されました。
あの有名な福岡県福岡市の民謡、
黒田節「酒は呑め呑め 呑むならば♬」
で歌われた黒田長政です。
お堂の前に鎮座しているのは、
狛犬ではなくて……狛虎って言うのでしょうか?
虎は、ムカデと共に毘沙門天の神使とされているようです。
両足院 絵馬掛け所
両足院の両足とは、
仏陀の別名「両足尊」にちなんだもので、
知恵と慈悲の両方が足りていると言う意味があるそうです。
手水鉢
拝観入り口となる庫裡の玄関にある手水鉢。
そう言えば、拝観入り口が庫裡からが多いのは何故なのか?
坪庭『閼伽井庭(あかいにわ)』
『閼伽井庭』と呼ばれる坪庭が庫裡と方丈の間にあります。
『閼伽(あか)』とは、仏様にお供えするお水のことで、
そのお水を汲むための井戸があるので
『閼伽井庭』と呼ばれています。
変な言い方ですが、
実物大のジオラマのような感じがする坪庭です。
方丈(本堂)
方丈(本堂)と書院は、
1624年~1643年(江戸時代)に再建されました。
両足院には、ここ方丈(本堂)前庭の他にも唐門前庭と書院前庭、
合計3つの庭があります。
方丈(本堂)南の庭園
方丈(本堂)の周りに配されている庭園は、
桃山時代に作庭されたもので、
苔、松、石組の枯山水庭園です。
私達は、ここで腰を下ろして暫し庭園を鑑賞。
有料になりますが、方丈前庭正面奥に見える園路を通り、
書院前庭『半夏生の庭園』の池の周りを巡ることができ、
そして、方丈前庭園に降りなければ観ることが出来ない
唐門前庭を鑑賞することが出来ます。
庭園の園路を巡る前に、方丈の廊下伝いに奥へと進みます。
方丈(本堂)東の庭園
庭園は、山の奥地にいるかのように静かで、
直ぐ近くに街があることを忘れてしまいます。
方丈庭園と書院前庭『半夏生の庭園』との境目の池と門。
池は、『半夏生の庭園』と繋がっていて、
右側の盛り上がった場所が亀島で、
池の部分が鶴の頭の部分を表しているそうです。
鶴の頭の部分を表す池(左)と亀島(右)
書院前庭『半夏生の庭園』(京都府指定名勝庭園)
『半夏生の庭園』の池は、
鶴が羽を広げて飛んでいる姿を表しているそうです。
半夏生の庭園の見頃は、6月の下旬から7月の上旬で、
半夏生が白く色付いて庭園に
雪が降ったかのようになるようです。
奥の建物は、向かって左手が茶室/水月亭(すいげつてい)。
右手が茶室/臨池亭(りんちてい)。
書院内から『半夏生の庭園』
方丈前庭に続いて、
ここ書院前庭も腰を下ろして庭園を鑑賞することが出来ます。
まだまだ先ですが、ある程度の庭園を巡り終え時には、
一つの庭園に時間を贅沢に使って、
ぼんやりとゆったりと過ごしてみたいなと思っています。
方丈、書院からの庭園鑑賞の次に、
先ほどの方丈まで戻って園路側から庭園を鑑賞します。
唐門前庭
方丈前庭から降りると直ぐの所に唐門前庭があります。
唐門前庭は、白砂の白、青松の青、
菱型の踏み石(龍の鱗をイメージ)が組み合わされた庭で、
この位置より足を踏み入れることは出来ませんが、
十分にその美しさを堪能することが出来ます。
丸窓
方丈(本堂)
園路側から観る庭園は、
先ほどとは一味違った姿を見せてくれます。
書院前庭『半夏生の庭園』
多くの寺院の庭園と同じで
『半夏生の庭園』の池も緑色をしていますね。
これって透明にせず、あえて緑色にすることで
池面に周りの景色を写し出しやすくしていると、
智積院だったか、どこかで教えてもらったんですよね。
燈籠
友人が発見した遊び心ある燈籠。
この燈籠のそれぞれの穴を覗いてみると、
丸窓
四角窓
三日月窓
この燈籠には、ちょっとした遊び心が組み込まれていました。
方丈(左)書院(右)と半夏生の庭園
茶室『臨池亭』(りんちてい)
茶室/臨池亭は、
水月庭の建設に深く関わりのあった大村家の別荘が
1926年に移築されてものだそうです。
茶室『水月亭』(すいげつてい)
茶室/水月亭は、国宝の茶室/如庵(じょあん)の写しとして、
1910年に建てられたもの。
方丈(左)書院(右)
両足院を拝観する前は、そう広くはない敷地に
コンパクトにまとまった庭園があると思っていたのですが、
どうしてどうして十分に広い敷地と見所満載、
居心地の良い寺院で、
庭園も素晴らしい庭園でした。