「対人緊張/恐怖」「パニック障害」といったように
心の悩みや問題に名称を付けて分けられていますが、
悩みや問題を解決するために、これらは重要な意味を持っていません。
それらの名称には実体がないからです。
これらは、最大公約数のようなもので
「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりになりましたか。」
「はい。日本料理を。」
と同じです。
アジの塩焼きや親子丼は実体がありますが、
日本料理と言うのは総称でしかなく料理の名前ではありませんので、
それをそのまま扱うことは出来ません。
これは、あとは板長におまかせにしますの意味なのでしょうか。
料理の場合、そうであるのなら、
それはそれでしっかりとした仕事は出来ますが、
心理療法の場合は、そうはいきません。
あえてやるとするならば、
催眠療法の場合は、「あなたは~の時、リラックスしたままでいます。」
と暗示を入れてみたり、イメージをしてもらったり、
心理療法の場合は、「気にし過ぎることを止めましょう。」とか、
「あまり思い詰めないようにしましょう。」とかになるのかもしれませんが、
ぼやけ過ぎて恒久的な効果を求めることは出来ません。
また、何処かで学んだ知識で、
「あなたは、~のような幼少期を送ったんではないでしょうか。」
「あなたの性格は、~の傾向があります」
と占い的に言い当てることが解決には結びつきませんし、
この症状は、確かこうだったなと本や講座で学んだものに当てはめて
行おうとすると、心理療法者の描いた台本の演者にしてしまいかねません。
心の悩みや問題を何かの名称でグループ分けし、
それらについて考えることと、
心の悩みや問題を解決するための取り組みとは似て非なるものです。
ある映画のセリフで、事件は現場で起きているというのがありましたが、
相談に訪れた方の悩みや問題は、
誰かが書いた本の中や論文の中ではなく眼の前にあります。
訪れた人の心の悩みや問題を解決するためには、
眼の前の、その人の話すことが、
どんな本よりも、どんな論文よりも重要であり、
優先順位を取り違えないようにしなくてはなりません。
本当に素晴らしいことに、そして、ありがたいことに、
悩みや問題を解決をしようと決意してルームに訪れてくれる全ての方は、
その一人一人の違う解決方法と、
そのために必要な力を携えて来てくれているものです。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計