京都建仁寺塔頭の霊源院で
初めて甘茶を頂いたので甘茶について少しだけ。
甘茶は、『アマチャ』と言われる植物の葉を摘み取り、
天日で干し、霧吹きで水を吹きかけて発酵させ、
手で揉み込んで天日で干して乾燥させて茶葉を作ります。
甘さは、砂糖の主成分のスクロースの
400倍~1000倍と言われていて、
(数値の幅が有り過ぎないか?)
あれだけの甘味を感じるのにカロリーは、なんと0。
内臓の機能を改善したり、血行を良くしたり、
抗アレルギー作用があるので
花粉症の改善にも期待できるとのことです。
一方で毒性のある成分は検出されたことはないのですが、
濃すぎる甘茶を飲むと中毒を起こして
嘔吐する可能性も報告されています。
花祭り
甘茶と言えば、やっぱり4月8日に行われる
お釈迦様の誕生日を祝う仏教行事の『花祭り』。
お御堂を綺麗な花で一杯にして、
お釈迦様の誕生仏の上方から甘茶を流しかけるあれを、
私達が訪問した霊源院では、4月8日ではないけれども
花祭りの仏教行事を初体験をさせて頂きました。
お釈迦様は、ネパール南部のルンビニ花園の無憂樹の下で生まれ、
誕生の際に9匹?9頭?の龍が現れて
甘露の雨を降らしたと言う伝説を模したものです。
余談ですが、ムエタイの二大殿堂の一つ、
ルンビニ・スタジアムは、
お釈迦様の生誕地のルンビ二花園が由来となっています。
甘露の雨を浴びたお陰なのか、
お釈迦様は、生まれてすぐさま「よっこらしょ。」とは言わないで、
無言で立ち上がり、野生の動物のように7,8歩歩いて、
「あば、あば」とか「うんま、うんま」とは言わず、
一方の手を天に、一方の手を地を指して、
「天上天下唯我独尊」と唱えたと言われています。
天上店が唯我独尊の意味は、
この世に個として存在する
「我」より尊い存在はないということです。
「我」は、お釈迦本人を意味するのではなく、
世の一人一人の存在が尊いことを意味するもので、
人間の尊厳をあらわしている言葉だそうです。
私はこれを最初に聞いた時に、
「我」はお釈迦本人だと捉えてしまい
もし私が、生まれてすぐの子からこんなことを聞いたら、
「生意気なことをぬかすな!」と
頭を一つポカッっと小突きてしまうなと
思ったことを思い出します。
こんなの絶対にあり得ないけど話としては面白いですね。
伝説がどうであれ、
お釈迦様を尊ぶ気持ちは揺らぐことはありません。
そして、京都名所巡りは続きます。