2018年、パリ郊外で住宅に侵入し窃盗を繰り返していた
男が逮捕され、その男性の逮捕歴が記録的な88回となりました。
逮捕された男性は、88回の窃盗全てで盗品から足がつき、
しかも簡単に捕まっているようです。
もう一つ。
2019年1月、イギリスで40年にわたって強盗を繰り返し、
その殆どが未遂に終わった61歳の男が逮捕されました。
逮捕された今回も6つの銀行強盗を働き、
成功したのは1つの銀行だけで収穫は約5万4千円だったそうです。
一方は、盗みのセンスはありそうですが、
盗品を換金することに改善を考えなかった男性と、
銀行強盗のやり方を全く改善することを考えなかった男性。
ここまで来ると、もはや捕まえてもらうことが
目的なんじゃないのって思ってしまいます。
また、前回と同様に「行為・プロセス依存」の疑いもありますね。
行為・プロセス依存の関係で、
衝動を鎮めるためにする行為が窃盗の場合は、
窃盗癖、心理的に言うと「クレプトマニア」と言うのだそうです。
買い物依存や下着泥棒と同じで、
物を盗みたいと言う衝動、欲求を制御することが出来ず、
窃盗をすることに意味があります。
そのため、上の様な大事件になるような行動をするとは限らず、
何百円の万引きを繰り返す場合も多々あります。
万引きで捕まった同じスーパーで万引きを繰り返したりと
普通の盗みの感覚とは違う行動をすることがあります。
クレプトマニアかどうかの診断基準としては、
次のようなものがあります。
◯個人的に用いるためでもなく、金銭的価値のためでもなく、
物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される。
◯窃盗におよぶ直前に緊張の高まりがある。
◯窃盗を犯す時の快感、満足、解放感を感じる。
◯盗みは怒り、または、報復を表現するためではなく
妄想、または、幻覚に反応したものでもない。
◯盗みは、行為障害、鬱病エピソード、または、
反社会性人格障害ではうまく説明されない。
買い物依存症の場合にも、当て嵌まりそうですね。
また、心理面の問題からだけでなく、
身体的な問題の認知症、痴ほう症との関係もあるようです。
前頭側頭型認知症は、記憶の障害はそう目立ちませんが、
初期の段階で、引きこもったり、倫理観や道徳観等が低下して
人間性が変化することが大きな特徴で、
こだわりや執着なども強く出るようになり、窃盗以外の犯罪に
結びつくこともあるようです。
発症も40代から60代と若年性に非常に多く、
病状もゆっくりと進行するので、
周りの人も気が付かないことが多くあるようです。