吉城園の拝観を終えて
次は、すぐ隣にある名勝 依水園の拝観へと向かいます。
私達にとっては、こちらの方がメインの庭園なのです。
名勝 依水園
名勝・依水園は、江戸時代前期に作庭された『前園』と、
春日山、若草山、南大門を借景にした
明治期に築かれた『後園』の
二つの池泉回遊式庭園で構成されています。
寧楽(ねいらく)美術館
正門を入ると私達を最初に出迎えてくれる寧楽美術館は、
実業家・中村順策が収集した美術品が展示されています。
依水園 事務所(庭園入り口)
名勝・依水園 前庭『三秀亭』
依水園の拝観は、写真の『前庭』から始まります。
庭園入り口をくぐると
写真の景観がお出迎えしてくれます。
徳川幕府御用達商人の清洲美道清が江戸前期に吉城川の傍で、
『若草山』『御蓋山(みかさやま)』
『高円山(たかまどやま)』の
三山が見える場所に『三秀亭』という
茅葺屋根の別荘を建て庭園を造りました。
三秀亭前の睡蓮
睡蓮の白い花がちらほらと咲いています。
京都・妙心寺の拝観を終えて、
竜安寺に向かう途中に立ち寄った喫茶店の人が、
竜安寺の鏡容池の睡蓮の花が、
早朝に花を咲かす時に「ぽんっ」と音がするのを
聞いたことがあると話してくれたのを
私は、睡蓮を見る度に思い出します。
三秀亭から観る庭園
江戸時代に建築された三秀亭では、
前庭を眺めながら昼食や抹茶を頂けるとのことで、
あがらせて頂くことに。
三秀亭
私達がお願いしたのは、抹茶でもなく昼食でもなく、
やや火照った身体が求めたアイス。
三秀亭内に、これがまた緑の香りが含まれた
良い風が流れ込んでくるんですよね。
建物外から観る庭園の景観と建物内から観る景観。
ちょっとした違いでしかありませんが、
感じ得るものが何か違います。
ぽかぽかと陽気な日に畳座敷の上に腰を下ろし、
素敵な庭園を見ながら美味しいアイスを食べていると、
なんとも贅沢なことをしている気分になります。
三秀亭
三秀亭に別れを告げて
新たな景観と体験に出会うために先へと進みます。
三秀亭
逆さ富士ではなく、逆さ三秀亭。
挺秀軒 (ていしゅうけん)
挺秀軒から観る三秀亭
氷心亭
この先から依水園の『後園』となります。
この景観が本当に見事でした。
木々に囲まれる小径を歩いていたら、
視界が、ぱあっと開けて
池と周りの木々、奥に見える東大寺の南大門、
その向こうの若草山と春日山。
「うわー!」と思わず声が出たほどです。
依水園 小径
寄付 手水鉢
寄付
この辺りを写した数枚の写真は、
空気に周りの緑が溶け込んでいるかのように
淡い緑色が纏っているように感じるのは
気のせいなのだろうか。
依水園 小径
『迷わず行けよ。行けばわかるさ。』
依水園 石碑
水車小屋
これ、実際に水が流れていて
水車が回転しています。
水車小屋 小滝
氷心亭(左)と柳生堂(右)
ここからの景観は、庭園内にいると言うより、
のどかな田舎の村にいるような気分になります。
開運稲荷
氷心亭と柳生堂
柳生堂
ぐるっと池の周りを歩いて、
さっきの見事な景観を拝める所に戻ってきました。
東大寺には、かつて高さ70m~100mと推測される
七重の塔が東西に立っていました。
その西塔の中心に立つ心柱を支えた礎石が
依水園の『後園』の池の護岸石に
使われていると伝わっていて、
この丸い石がそうかも知れません。
しばらくの間、二人とも無言で景観を眺めます。
なので、依水園を後にする前に
この景観をバックに、必須の記念撮影。
清秀庵 手水鉢
清秀庵
名勝 依水園、素晴らしい庭園でした。
東大寺のすぐ近くにあるので
東大寺を訪れたなら、
ここをスルーするのは勿体ないかなと思います。
是非とも皆様も拝観に訪れてみて下さい。