旧大乗院庭園は、
興福寺の門跡寺院の大乗院の創建時に築造され、
その後、2度ほど被害を受けて荒廃しましたが
興福寺の僧・尋尊(じんそん)が、
銀閣寺の庭を作庭した善阿弥(ぜんあみ)を招いて
改造したものです。
名勝 旧大乗院庭園の標石
旧大乗院庭園の入り口を発見するのに
少し手間取りましたが、この標石に助けられました。
旧大乗院庭園 文化館
旧大乗院庭園の入園受付は、
広い庭園の敷地の南側にある文化館内にありました。
大乗院を復元した模型
現在は、左の大乗院の建物はありません。
名勝 旧大乗院庭園
法華寺庭園や圓成寺庭園とは
また味わいが違う旧大乗院庭園を
文化会館内の庭園に面した窓の長椅子に座って
眺めることも出来ますが(無料)、
庭園拝観料200円を収めれば、
窓の外に広がる庭園内を散策することが出来ます。
東大池
驚きの安さの庭園拝観料を惜しむ訳はなく
庭園内へ足を踏み入れました。
緑一色の庭園の紅一点の反り橋。
庭園の緑は芝なので
銀閣寺の庭園とは全く趣が違います。
この庭に使われているのが、苔ではなく芝生ということに
違和感を覚えたので調べてみたら、
平安時代に書かれた造園書『作庭記』に、芝が登場するらしいので、
銀閣の庭を作庭した善阿弥が、作庭時に芝を使っていたとしても
不思議ではないようです。
天神島
大乗院庭園は、とにかく広くて開放感が半端有りません。
さらに受付で確認したのですが
芝生の上を歩いてもOKとのことです。
ふかふかした芝生の上を歩くのは、とても気持ち良いものだし、
彼氏彼女と青空の下、芝生に腰を下ろして
ピクニック気分で会話を楽しむのも良さそうです。
西小池
北池
東大池の中島と反り橋
緑の中の紅一点の反り橋が、
全体の景観を1ランク上にアップさせています。
ちなみにですが、
中央が盛り上がった橋の本来の名称は「反り橋」で
この橋の形が、着物の帯の太鼓結びに似ているので
誰かが「太鼓橋」と言い始め、
「太鼓橋」呼び名も一般的になったので
『反り橋』でも『太鼓橋』でもOKとのこと。
元々は『虹』を表す形だそうなので
『虹橋』『天橋』でも良いのではと
勝手に思ったりしています。
部屋とYシャツと私ではなく、
東大池と反り橋と中島と私。
三ツ島と反り橋
奈良公園も芝、ここ旧大乗院庭園も芝。
平城京跡、平城京左京三条二坊宮跡庭園・東院庭園も芝。
奈良にも苔で有名な庭園もあるとは思いますが、
私の中で奈良は、芝生文化で
京都は、苔文化の印象が出来つつあります。
奈良公園の周りは観光する人が溢れんばかりなのに、
法華寺名勝庭園、圓成寺名勝庭園に続いて、
この綺麗な庭園内もまた私達以外には、
一人の女性と二人の女性と庭師一人だけ。
少なすぎるやろ~。何故なのか?