「旅は道連れ、世は情け。」
いつもの友人と約1か月ぶりに名所巡りへと出発です。
毎回、友人は車を出してくれて
ガソリン代とか高速費用も負担してくれて、
本当にお世話になっています。
今回、私達が最初に訪れたのが、
名勝庭園を特別公開中の光明宗 法華寺です。
法華寺 南大門
法華寺は、創立から1250年以上続くお寺です。
東大寺を建立されたのが聖武天皇で、
その皇后である光明皇后が法華寺を開基されました。
そして、
光明皇后の勧めで東大寺が総国分寺で、
法華寺が総国分尼寺となされました。
法華寺 赤門(通用門)
現在、南大門は閉ざされていて、
名勝庭園拝観の受付は、この赤門を入った右にあります。
法華寺は、法華寺門跡(ほっけじもんぜき)とも呼ばれ、
皇族や公家の方たちが入寺されたお寺を
『門跡』と呼ぶことに始まります。
以前、私が拝観させて頂いた
京都の青蓮院門跡もそうです。
赤門に使われている一枚一枚の瓦に
菊の御紋を見ることが出来ます。
鐘楼塔
赤門を入ると、最初に私達を出迎えてくれたのが
この立派な鐘楼塔。
『華楽園』入り口
法華寺には『名勝庭園と』は別の庭園『華楽園』があり、
『華楽園』の入り口は、赤門を入ってすぐ所にあったのですが、
私達は、まずは名勝庭園観賞を選択しました。
名勝庭園は、写真奥の方にあります。
鐘楼塔と護摩殿
護摩殿
護摩殿は、池の上に浮かぶように建てられています。
以前、広島カープの新井貴浩選手が
護摩行をしているニュースがありましたが、
あのような儀式を行う施設です。
本来は、行というより
参拝者が祈願したいことを書いた供え物の護摩木を焼き、
その煙を天に届けて福を得ることを目的にした儀式です。
本堂前 庭園
天皇皇后陛下が法華寺を行幸された
記念の植樹があります。
本堂(重要文化財)
本堂左横にある小さなくぐり戸のような入り口から
法華寺庭園内へ足を踏み入れます。
法華寺 名勝庭園
小さなくぐり戸を通り抜けると
法華寺の名勝庭園があり
江戸時代前期に作庭されたものだそうです。
法華寺庭園は、中心に池があり、池の周りに園路、
池に反り橋が渡された池泉回遊式庭園です。
客殿前庭園
朝一番のためか法華寺庭園観賞に訪れているのは、
私達の他には千葉から来られた一人の男性だけでした。
この男性、全国の特別名勝を完全制覇した猛者で、
今は、全国の名勝を回っているそうです。
今回、千葉から奈良に2泊3日で来ているようで、
特別名勝、名勝が多数存在する関西に住んでいる
私達を羨ましがっていました。
客殿
ここで腰を下ろして、
一休みがてら目の前に広がる庭園を楽しんだ後で
もう一つの庭園『華楽園』へと向かいました。
華楽園(からくえん)入り口
名勝庭園の入り口よりも少し立派な入り口を潜ると、
最初に現れるのが浴室です。
浴室
光明皇后がこの浴室で、薬草を煎じてその蒸気で
難病者を救ったと言われています。
浴室横 井戸
日本の最初のお風呂は、今で言うサウナで
お寺が発祥と言われています。
サウナ式のお風呂に入る際に
お風呂の床に敷いた布が「風呂敷」の元になり、
バスローブ的な役割をしていたものが「浴衣」の元。
お寺がお金を取り、檀家(庶民)に開放したことが
銭湯の始まりで、後に蒸気で身体を温める様式から
湯船に湯をはったお風呂が流行り、
現代の一般的な湯船式のお風呂へとなっていきます。
掬桃(きくもも)
掬桃の花が、浴室前で咲いていました。
バラ科サクラ属の落葉小高木でモモの1品種で、
名称は、花弁が細長く掬に似ていることに由来するそうです。
光月亭
奈良県月ヶ瀬村から庄屋さんの民家を移築したものだそうで、
18世紀中頃の茅葺(かやぶき)の建物。
光月亭の茅葺屋根を内部から
かまど
光月亭前 茶室?
華楽園
今度は、どんな日本庭園を観ることが出来るのだろうと、
思っていましたが、華楽園は日本庭園と言うより、
西洋の香りが漂う庭園でした。
華楽園には、100本の椿をはじめ、
法華寺蓮(ほっけじはす)など
約750種の花木・草花が植えられいるようです。
奈良は、まだ桜が咲いています。
花が咲き誇ると、明石城跡の剛の池のように、
この庭園も素晴らしいものとなるのだと思いますが、
私達が訪れた時期が宜しくなかったのか、
咲いている花は、ちらほらで
この庭園の良さ、素晴らしさを実感できなかったのが残念。
これで法華寺を後にして、
次の目的地へと向かいます。