アフリカ南部の王国『エスワティニ(旧スワジランド)』を
35年にわたって統治する国王ムスワティ3世が提唱した
10代の女性は、5年間性交を禁止するという
『純潔を守る誓い』の法律を制定し、この法令を破ると
「牛1頭、または1200エマランゲニの罰金」が課せられたとのこと。
ところがムスワティ3世自身が禁止令を出した2ヶ月後に
17歳の女性と婚約、性行為に及んだことが発覚し、
法律を提唱した国王自身が法律を破ったことに
約300名もの若い女性が王宮に詰めかけ抗議。
国王は、抗議に来た若い女性達に罰金の牛1頭を差し出しました。
エスワティニ(旧スワジランド)王国は、
HIV罹患率が2002年あたりから
世界で断トツの1位を継続中であるため
このままじゃやべえぞ!と危機感を持った国王が
HIV蔓延予防を目的とした法律のようです。
つまり『純潔を守る誓い』じゃなくて
HIV蔓延予防のための法律として方が芯を喰っている訳です。
国王の頭の中では、結婚した夫婦については
話は別であったと思うのですが、
そのことを広く告知しきれていなかったのか、
その結果、王宮に約300名もの若い女性らが
抗議に押し寄せるとなったようです。
さてですがエスワティニ(旧スワジランド)は、
立憲君主制国家の形式をとっているようですが
実際には、国王ムスワティ3世が国軍や警察の最高責任者であり、
三権(司法、立法、行政)の権限を握っているので
もう自分の意のままに動かすことが出来ます。
なので王室の予算だけじゃなくて国家予算まで費やして
15人の妻にロールスロイスを買い与えたり、
複数の宮殿を建設したりとやりたい放題です。
こうなると自分のことを
公然と反対したり批判したりする人に対して
どこかの国の権力者のように闇に葬ってもおかしくありませんが、
約300名の若い女性の抗議を受けて
法律の不備を認めながらも真の意味を説明することもなく
言い訳もせずに過ちを認めて
法律に定めた牛1頭を与えたことを思うと
そこまで酷い人物じゃ無いのかもと思ったりもします。
日本の絶対に過ちを認めない政治家や
失敗だと思われる結果が出ている政策であったとしても
修正も改善もせずに突き進む人達よりも
かなり立派に思えたりします。
さてですが
私達も自分の世界の全権を握った王様ではあるのですが
どうしても他の人の世界と接触を持つことになり、
その際に強いものが他の人の世界を
蹂躙することはまかりなりません。
それが国民の運命に大きく影響を与える立場にある一人の人が
全権を握ることは、真に解脱した人物でない限り
如何に危険なことかは明白です。
仮に冗談でしょうと思えるような
日本の政治家のあの人やあの人やあの人が総理になったり、
またそれが誰であったとしても全権を握ってしまったらと考えると
ブルブルブル。