催眠療法を営んでいる私達は、
そうでない人達と比べると
被験者を催眠に誘導することにおいて、
有利な立場にあるんですよね。
ここで言う有利な立場にあるというのは、
技術レベルが、どうこうと言う話ではありません。
催眠療法を前面に出している所に限らず、
手法の一つとして催眠療法を掲げている所に
相談に訪れる方は、
催眠に何らかの興味を持ってくれている人です。
(心理療法のみで取り組むこともあります。)
催眠をネットや本で学んだり、
催眠誘導の講座で学んだりして、
ある程度の知識と技量を持っていたとしても、
催眠を誘導する機会がそうはありません。
まさか街行く人を呼び止めて
「催眠かけさせてくんない?」
なんてお願いしてもOKしてくれる人には
まず出会えないと思いますし、
喫茶店とかで離れた席で
珈琲を飲んでいる人に向けて
「あなたは眠くな~る。」とかやるのは、
ただの笑い話にしかなりません。
なので、友人達が集まったお酒の場で行ったり、
部屋に遊びに来た友達や彼女に
催眠をかけさせてくれない?
なんて所から始めなくてはなりません。
そのような場で被験者になってと頼まれた方も
ふたつ返事で「良いよ。」
なんて言ってくれる人は、そういませんし、
OKを出してくれたとしても、
頼まれた方も遊び感覚での返事なので、
真剣さに欠けたりしますし、
思いがけずに催眠現象を体験したら、
ビックリして途中で止めてしまう
ことだってあります。
これって難易度が相当に高い状況なので
戦略的に進めて汗をかく必要があるので、
このような条件下で私がするとなると、
催眠について軽く振ってみて、
食いつきが弱いと、その先はやらずに終える感じですね。
つまり、看板をあげている私達は、
誘導技術の高さ云々の前に、
それだけアドバンテージを持って
被験者を誘導をしていることになります。
集中できる環境と柔らかな音楽が流れる室内で、
被験者の催眠体験のための心の準備が整えば、
もう催眠体験は、90%成功したようなものです。