日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

身近なスペシャリスト

2013-01-29 19:51:23 | ライフスタイル
先日、お米屋さんとお話をさせて頂く機会があった。
お話を伺っていると、意外なコトにビックリするコトが多くあった。
例えば「コシヒカリ」というお米。
「コシヒカリ」というお米そのものは、今販売されているお米の主流となっているお米だと思う。
ただ違うのは、そのお米が収穫された土地の名前が付くコトで、「ブランド米」と言う。
「魚沼産コシヒカリ」というのは、その良い例だと思う。

その「コシヒカリ」というお米だが、実は産地によって随分味や粘りなどが変わってくるという。
北陸のコシヒカリと丹波のコシヒカリでは、粘りや甘みなどが違いお客様にお勧めする時も、好みを知らないとクレームになってしまう、と言うお話だった。
工業製品などであれば、その様なコトは決して無いのだが、お米をはじめとする農作物には、その様な同じ品種であっても産地で微妙に味が変わると言う。

そう考えると、昔はとても身近なトコロに「スペシャリスト」達が沢山いたように思う。
「スペシャリスト」というと、何か特別な技能者という印象があるかも知れないが、このお米屋さんの様に、微妙で繊細な味の違いがわかり、お客様に合わせた提案ができる人達もまた「スペシャリスト」だと思う。
その「身近なスペシャリスト」というのは、八百屋さんであったり魚屋さん、肉屋さんと言った人達のこと。

スーパーの登場によって、この様な専門店は数が減っていく傾向にあるのはご承知の通りだ。
でも、スーパーの便利さとは違う質のサービスを提供できるのが、この様な「スペシャリスト」なのではないだろうか?
むしろ社会が成熟していくにつれ、食のあり方が変わりつつある。
「食べる」だけでは無く、「食べるコトを楽しむ」という生活思考に変わりつつあるからだ。
とすれば、お米屋さんの「お米マイスター」
と言う制度のような、判りやすい「スペシャリスト」制度をもっと上手に創り・活用するコトで、「スペシャリスト」の集合体となる商店街も、これまでとは違う生活提案を生活者にできる様になるのでは?

今日の朝刊に、何気なく「米国産牛肉輸入緩和」という記事があった。
「BSE問題」もすっかり過去のものになりつつある様だが、生活者としての不安は解消されていない。
だからこそ、もっと身近な「スペシャリスト」を上手に活用できれば、より「安心・安全な食を楽しむ」コトができるのでは?
上手に身近なスペシャリストを活用するというのも、成熟した生活者のライフスタイルなのかも知れない。