日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

本物を見る目を養って欲しい

2013-01-14 18:26:43 | 徒然
今日は成人の日。
全国的に寒い1日となったようで、関東方面では大雪。
一部では雪の重みで電線が切れ、停電となった地域もあるよう。
そんな中の成人式は、例年のような大騒ぎなどのニュースを今のところ聞いてはいない。

今年成人式を迎えた人達は、生まれた時から「不況」という言葉の中で育ってきた世代だ。
正しくは、今の24.5歳くらいから下の世代は「不況」という言葉を、当たり前の様に聞いてきた世代だと言える。
確かに、ここ20年余り日本の景気は決して良いものでは無い。
でも視点を変えると、本当に不況なの?と言う部分も無いわけではない。

例えば、今の若い人達にとってヴィトンのバッグを持つコトは、とても当たり前の様になっているのでは?
ヴィトンでなくても、エルメスでもコーチでも構わない。
いわゆる海外の有名ファッションブランドの商品を持っている、と言うコトに対して「凄い!」という感覚も無ければ、何か特別なコトだという受け止め方もしていないのではないだろうか?
例えそれが、スーパーコピーと呼ばれる偽物であっても(法律では禁じられている行為なので、その点は十分理解をして欲しい)。

私が成人式を迎えた頃、ヴィトンやエルメスなどは夢のまた夢のモノだった。
と言うよりも、そんな海外のラグジュアリー・ブランドを一生手にするコトはない!と思っていた。
それがバブルという異常なマネーゲームによって、一般庶民である私達も手にするコトができる様になった。
もちろん、その頃からその様なブランドショップが次々と日本に進出し、百貨店の特選フロアーから1階のメインストリートに面した売り場へと変わり、独自に店舗を持つようになった、と言うコトも大きく影響しているのだが、それでも、今のような一般化は想像していなかった。

そう考えると、私の二十歳の頃よりも物質的なコトや物質的情報は、恵まれた環境なのでは?と言う気がしている。
ただ、熱狂的なマネーゲームに浮かれていたバブルの頃に比べると、遙かに経済状況が厳しくなっている、と言うコトなのではないだろうか?
ただ、その間にすっかり忘れ去ってしまったモノ・コトが沢山ある様な気がするのだ。
それは「本質を知る・本物を知る」というコト。

海外のラグジュアリー・ブランドには興味があっても、そのブランドの成り立ちや本国での顧客のライフスタイル、それだけでは無く、国内外に埋もれている手間暇かけた職人的芸術作品とも呼べるモノ・コト・・・そんな人が創りだした本物をしっかり、知って欲しいと思う。
言い換えれば、バブルの頃すっかり忘れてしまった「大人としての教養」と言ったら良いだろうか?
なぜなら、これから歩んでいく人生の時間のほうがズッと長く、充実した時間にして行くコトが大切だからだ。