先週は、本当に寒い日が続いた。
木曜日は名古屋でも、12月としては異例の積雪23cmを記録した。
私なども、あわててロングブーツをだし、10数年前に購入したダウンコートを着て出かけた。
この「ダウンコート」に関して、アウトドアウェアの「パタゴニア」が少し変わった取組をしている。
パタゴニア: 健全な動物福祉を保証するために、パタゴニアのダウン製品にトレーサブル・ダウンを100%使用
サイト内にある「プラッキングとは一体?従来のダウンは恐ろしいビジネスです」という動画を見ると、「羽毛ビジネス」は動物を虐待して得ているビジネス、というようにみられる。
それは確かなことだと思うし、同様の指摘がこの夏「フォアグラ」でも起きた。
どちらも人の都合で強制的にえさを与えビジネスにしている、 という指摘だ。
この指摘そのものをうんぬんする気はない。
それぞれの立場で、考えがあると思うからだ。
ただ、今現在市場に出回っている「ダウン」の行方に興味を示す、という視点がパタゴニアにはないのだろうか?という気がしたのだ。
実は、ここ2,3年「ダウン」の市場が高騰している、と言われている。
その理由は、「ダウン」の供給地である中国で、「鳥インフルエンザ」が毎年のように発生するため、「ダウン」を採る(?)量が減少しているからだ。
そのためか?今年大手通販の千趣会(「ベルメゾン」)のカタログを見ると「フレンチ・ダウン」という表示が目につくようになっている。
それだけ、安価な中国産ダウンが減ってきているのでは?という気がしている。
と同時に、羽毛布団を含め日本中にある「羽毛・ダウン製品」は、使われなくなったらどうなるのだろう?と、考えてしまうのだ。
というのも、長い間使っている羽毛布団がそろそろお役御免という状態になってきており、綿の布団のような打ち直しができない。
だからと言って、購入したときはそれなりの値段だった布団だ、簡単に捨てる勇気もない。
ネットで調べてみると、確かに「羽毛布団の打ち直し(正しくは、羽毛の洗浄)」をしている業者さんはあるのだが、打ち直しの値段が買ったときよりも高いかも?!という価格になってしまう。
おそらく「羽毛布団の打ち直し」を考える人が少ないため、高額な値段になってしまうのだと思う。
ただ、もし日本中の使われなくなった羽毛布団を、リサイクルダウンとしてアパレルに使うことができれば、パタゴニアが問題提起しているような、ブラッキングは減るのではないだろうか?
布団で使われるダウンとアパレルで使われるダウンが、どれほど品質などで違うのかはわからない。
ただ、「動物を虐待しない」という発想であれば、「リサイクル・ダウン」という考えがあってもよいと思うのだ。
もし、日本のアパレル企業が共同でそのような活動を始めれば、ずいぶん「ダウン製品」の価格も生活者の意識も変わるのではないだろうか?