日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

地方の活性化は、国主導では難しい?

2014-12-22 19:50:57 | ビジネス

日経新聞のWEBサイトを見ていたら、「そのような方法があったか!」と思う記事があった。
日経新聞:マザーネット、鳥取産食材を宅配

この歳になって、時折実家(鳥取県米子市)から送られてくる美味しいお米などを食べるたびに感じることがある。
それは、海山というか自然の豊かさの恵みをいただく幸せ感だ。
実家の父が送ってくれる、島根の仁多米や鳥取の日南米を食べると、名古屋でお米を買いたいという気がなくなってしまう。
身贔屓ということは十分承知しているが、農業や水産、酪農などの産業が中心の地方ならではの魅力が、あるのにな~と感じることが多くなってきた。

実はあまり知られていないと思うのだが、愛知県というのは意外にも「農業県」で、名古屋近隣から美味しい野菜や果物、水産品だけではなく、牧畜なども盛んな地域で、このようなことを感じることが今までなかったのだ。
そして、このような「地物」は、以前はあまり見向きもされなかったような気がするのだが、ここ数年人気が高まっているらしく、スーパーに行くと、このような「地物」のコーナーが設けられるようになってきた。
それだけ「地物」に対するイメージが大きく変わってきているのだと思う。

そして今回のマザーネットの試みで面白いと感じるのは、「鳥取」という「田舎」のイメージを逆手(というべきか)にとって、「田舎だからこそ、届けられる安心・安全な産直」という点だ。
実際鳥取県だけではなく、日本各地の「田舎」と呼ばれる地域の多くの県は、海山に恵まれ「美味しい地物」がたくさんある。
昭和の「地方の活性化」の波に乗れず、「工業団地」は造ったものの誘致に失敗し、塩漬けになっている土地がたくさんあり、そのような土地が、地方経済の低迷を象徴するような取り上げられ方をされてきた。

考えてみれば、日本全国同じような産業だけで経済が成り立つはずはない。
様々な産業があってこそ、相乗効果で経済が成り立つはずなのだ。
TPPに揺れる農業や酪農などにしても、実はそれほど悲観する必要はないのでは?と思うほど、日本の「食材」は美味しく、新鮮だ。
それを支えているのは、都市部ではなく地方でも一番端っこにある「田舎」なのではないだろうか?

これまで「田舎」というと、どこか古臭く閉鎖的というイメージばかりがあった。
確かに閉鎖的なところは強く、私などはその環境に馴染めなかったのだが、今や「閉鎖的」と言っている場合ではない。
むしろ積極的に、情報を発信し都市部と繋がることが必要な時代になっている。
その一つの試みとして、「マザーネット」の動きは、もっと注目されてもよいのではないだろうか?
「東日本大震災」以来、若い人たちが積極的に農業や林業、酪農などに従事する動きが出始めている。
それを支援するのは、国ではなく地方の行政であったり農業団体を中心とした地域だと思う。
なぜなら、国の考えというのは「霞が関」という東京の真ん中での考えであって、実際の地方の姿を見ているわけではないし、消費をする生活者の姿も見えてはいないからだ。

安倍さんは「地方創出」と息巻いているようだが、東京育ちの安倍さんに、どれだけ地方のことがわかるのだろう?
「地方創出」のためのお金を出すにしても、これまでの安倍さんの「昭和型の発想」では、厳しいような気がする。
そう考えると、地方のことは地方で考え、動く(発信し、都市部の生活者と繋がる)ことではないだろうか?