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老獪な印象のある「多国籍軍恒久支援法」

2014-12-29 19:53:50 | 徒然

今年の年末年始のお休みは、9連休という企業もあると聞く。
先週末は、帰省客だけではなく海外へ旅行に出かける人たちで、空港もごった返したというニュースがあった。
そんな「お休み気分」のときに、唐突に政府から発表された「多国籍軍恒久支援法の検討」というニュース。

時事通信:自衛隊派遣の恒久法検討=米軍・多国籍軍支援強化-政府

ニュースの内容にも驚いたが、このお休みの時期を見計らうように発表したタイミングに、政府というか安倍内閣の老獪さを感じるのは、私だけだろうか?

このような記事が掲載されると、多くの人は「どうせ、自衛隊が行くんでしょ」と、自分には関係のないことのように受け止める傾向がある。
確かに、自衛隊が派遣されるのだが、その派遣費用は税金である。
安倍政権になってから、これまで「バラマキ」といわれるような、公共事業の投資が行われてきた。
その内容を見ると「昭和の公共事業」という印象の公共事業が、多い。
反面、子育て支援とか介護などの分野は何気なく切られているのが、現状だ。
そんな財政の状態で、自衛隊を恒久的に海外に派遣できるだけの財政状態なのだろうか?

それでなくても、安倍政権になってから、ずいぶん「キナ臭い」動きが目立っている。
「武器輸出」に関しても、これまで一貫して「武器輸出はしない」という立場だったが、安倍政権は「武器輸出」をOKにしてしまった。
「集団的自衛権」にしても、憲法解釈という荒業で決めてしまっている。
その次が、この「多国籍軍への恒久的支援」ということなのだろう。

そしてこれらの内容は、選挙公約の中にはほとんど含まれていなかったのも関わらず、選挙直後に動き始めている、というのが、とても気になる。
安倍さんご自身が好戦的な性格で、「アメリカ大好き!」であっても構わないが、国民を付きあわせてもらいたくない。
確かに、日本の様々な技術は様々な「兵器をつくる」くらい難しいことではないと思う。
もしかしたら、世界の主要武器輸出国がつくる兵器よりも、優れたものをつくることはできるのでは?と、思っている。
だが、安倍さんを見ていると、このような国民全体の議論が必要なのでは?という案件に関して、勝手に決めていく傾向がある。
しかも、選挙で公約したことは二の次三の次・・・。
結局のところ、憲法を改正して「戦争のできる国にしたい!」だけで、経済を良くするとか国民生活を豊かにする、という気持ちなどは、ないのでは?という気がしてくるのだ。

だからこそ、今この休みの時期に何気なくこのような法案を検討するのでは?
その意味で、安倍さんの老獪さを感じるのだ。