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木材の輸出が増えている?

2015-04-02 21:36:02 | ビジネス

しばらく前、FM番組を聞いていたら「日本の木材の輸出量が増えている」という話があった。
一瞬わが耳を疑ったのだが、それは本当の話だった。
林野庁の外郭団体(?)・一般社団法人日本木材輸出振興会が発表しているデータなどを見ると、中国や韓国、台湾向けの木材がこのところ伸びているのだ。
日本木材輸出振興協議会:中国の市場 韓国の市場
 
私を含め「日本の木材は海外からの輸入木材に押され、日本の林業は風前の灯」だと、思い込んでいると思う。 
実際、国内需要を見込んで植林された国内の森林は、安価な輸入木材によって林業に従事する人が激減し、山は荒れ果てている、とずっと言われてきたように思う。
しかし、今やアジアの富裕層が自分の家の内装用に求めているのは、なんと日本の木材なのだ。
なぜ、「日本の木材が国内で使われにくくなったのか?」というコトを考えると、私たちの中で「木造家屋」という範疇でしか、考えていなかったからではないか?という気がしてきたのだ。

確かに、日本の木造建築のような木材の使われ方と、今の中国や韓国での日本の木材の使われ方は、大きく違う。
中国や韓国は、あくまでも「内装用」として、日本の木材を輸入しているのだ。
そう考えると、今の日本の住宅事情などを考えると、もっと積極的に日本の木材を使うチャンスがあるのでは?という、気がしたのだ。
というのも、ここ数年我が家近辺で建てられる戸建て住宅は「重量鉄骨」の骨組みが多く、マンションなどは当然のことながら重量鉄骨を組み上げて建てられている。
実際の木材を使う意味が、以前と大きく変わってきているというコトなのだ。
内装を国内の木材を利用する、となればまっすぐ伸びた「大黒柱」や立派な一本の木で作られた梁などは、必要ない。
防音という点での難点はあるが、内装として使うとなれば「吸音」の優れた木材のほうが有利かもしれない。

何より、なぜ中国や韓国が日本の木材を輸入するのか?という点を考える必要があると思う。
中国の高級マンションの建築ラッシュという話は、ずいぶん前から聞いている。
そのバブルがいつはじけるのか?という懸念があるコトも知っている。
ただ今の状況は、中国国内の木材不足というだけではなく、日本の木材の質の良さという点でも、輸入される理由となっているらしいのだ。
おそらく「JAPAN BRAND」という、日本のさまざまな製品の質の高さのイメージが、木材も同様だと考えられている部分もあるとは考えるのだが、そんな身びいきの部分を差し引いても、日本の木材輸出が増えている、という点を考え直す必要があるのでは?と、考える。

これをきっかけに、日本の林業そのものが回復するチャンスとなるかもしれないのだから。