日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

地方が目指すのは「Made in ○○ from Japan」だと思う

2015-04-07 18:40:15 | ビジネス

最近、通販のアパレルカタログだけではなく、今日新聞の折り込みチラシとして入っていた百貨店の広告を見ながら、「今はMade in Japan」が、注目なのかな?という気がした。
30年くらい前までは、「日本製」という表示が比較的多かったアパレル商品だが、昨今ではファストファッションの流行もあり、すっかり「Made in Japan」 は高級品となってしまった。
実際通販のカタログを見ても、中国やベトナム製などと比べると、3~4倍の価格がついている。
消費そのものが大きく伸びていない中で、日常的に着る服となるとそうそう高いお金は出せない、というのが生活者の気持ちだろう。
だからと言って「海外に生産拠点をすべて任せる」というのも、さまざまなリスクがある。
何より、生地から製造まで日本製という商品は、細やかでいきとどいた着易さのようなものがある。

一方、そのような生産地だけではなく第一次産業などを担っているのは、都市部ではなく地方である。
今回の地方統一選挙で、自民党は「地方こそ、成長の主役」というコピーを使うほど、地方を元気にしなくては!ということらしい。
しかし現実は、東京一極集中が加速し、地方は衰退の一途になりつつある。
そんな中、東日本大震災の被災地などでは「Made in Japan」ではなく、「Made in ○○(地域名)で、復興するんだ!」という動きが出始めている。
以前、拙ブログでも紹介した「東北食べる通信」だ。
その中でも、石巻の牡蠣養殖をされている方は、「Made in Makinohama」で、ご自分で養殖された牡蠣を世界をマーケットに売っていこうとされている。

東北食べる通信: 牡蠣漁師 阿部さんちのCSA 

 プリプリとした大きな牡蠣は、美味しそうというだけではなく、食べごたえもありそうだ。
それだけの自信があるからこそ、産地を堂々と謳い海外への進出を目標とされているのだと思う。
考えてみれば、アパレルの生地や縫製だけではなく、伝統工芸にしても日本各地には、その地名のついた産業がある。
「伊万里焼」にしても「輪島塗」にしてもそうだ。アパレルでいうなら岡山の児島で生産されるデニムなどもそうかもしれない。
これらの商品が、海外に紹介されるとけつけられる生産地は「Made in Japan」だろう。
でも、海外の多くの人たちがイメージするのは高層ビルが立ち並ぶ「TOKYO」なのではないだろうか?
とすれば、地域の再生だとか地域創生というのであれば、「Made in ○○(地域名) from Japan」なのではないだろうか?

おりしも、サントリーやニッカウィスキーが本場のスピリッツコンテストで金賞を受賞したり、本場フランスで甲州ワインが高い評価を受けたりしている。
日本食ブームとともに、日本酒も人気になりつつある。
日本の食だけではなく、さまざまな商品をアピールするのであれば、そろそろ「Made in ○○(地域名) from Japan」とする時代になってきているのではないだろうか?
そのような発想で、モノ・コトづくりを考えると、それぞれの地域が持っている見落とされている資産が、違ったモノになるのではないだろうか?