スーパーへ買い物に行くと、「商品棚が変わったな~」と思う売り場がある。
酒類を販売している商品棚だ。
目立つのは、今年流行しているといわれる「クラフトビール」。
国内だけではなく、海外の「クラフトビール」も並んでおり、週末の買い物客(特に奥様について買い物に来ていた男性諸氏)は、足を止め品選びをしている光景を見ることが多くなった。
様々なボトルデザインで華やかなのは、ワインや洋酒の商品棚だ。
ボトルデザインそのものもおしゃれな物も多く、ラベルも華やかなデザインも多い。
一方、地味なのは「國酒」と呼ばれる、日本酒や焼酎の商品棚だ。
日本酒に限っては、一升瓶で売られていることは少ないのだが、変わりにおいてあるのが「紙パッケージ」の日本酒だ。
中には「パウチパッケージ」もあり、軽量化、エコという点ではワインなどよりも一歩も二歩も進んでいるのかもしれないが、その地味感は否めない。
焼酎に至っては、少量のガラスパッケージにものは、デザインなどもおしゃれな感じのモノも少なくないのだが、大容量となると、紙パッケージ→ペットボトルへになっている。
なんとなく、パッケージを見ると「日本酒って、おいしいですよ」という雰囲気は、まったく伝わってこない状況にあるように感じている。
そんな「日本酒の商品棚」に「オヤ?!」と目を引くボトルデザインの日本酒があった。
ボトルを見ると「カクテルグラスでお飲みください」と、書いてある。
日本酒=お猪口(か、「コップ酒」)というイメージがあると思うのだが、それをあえて「カクテルグラス」と指定しているのに、驚いた。
その日本酒とは、辰馬本家酒造(ブランド名「白鹿」)の「壇」というお酒だ。
辰馬本家酒造HP:「壇」
私が店頭で見たのは500mlの商品だったのだが、夏の暑さを忘れさせるような青いボトル。
「さぞ冷酒でいただくと美味しいだろうな~」と、思わせるデザインだった。
そしてその「壇」よりも、目を引いたのが「はくしかオータンティック」だった。
黒いボトルに、モダンな幾何学のデザインが描かれている。
日本酒というよりも、ワインのパッケージを思わせるようなデザインだ。
20年ほど前に、イタリアンのシェフから「実は、イタリアンと日本酒って合うんですよ。だからうちでは日本酒もおいているんです」と、言われたことがあった。
おそらくそのようなことがあってのことだろう、最近では海外で「日本酒ブーム」が起きつつある、という話を聞いたことがある。
もちろん、和食ブームもあってのことだとは思うのだが、意外にもフランス料理などにも合うのかもしれない。
そう考えると、白鹿のこのようなモダンなボトルデザインや「カクテルグラスでお飲みください」というのは、わかる気がする。
それだけではなく、辰馬本家酒造のHPを見ると「酒蔵通り 光の宴 フェスタン・ドゥ・ルミエール」というイベントを、国内外の「光の芸術家(?)」と一緒にイベントを昨年、一昨年、一昨々年と開催をしている。
後援は、フランス大使館だ。
日本での日本酒のイメージは、「コップ酒で酔っぱらっているおじさん」という、余りよいモノではない部分がある。
しかし、そのイメージを変えるとすれば、もしかしたらパッケージからかもしれない。
パッケージそのものは、入れ物というだけではなく、その商品を広告する重要なモノだからだ。