日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

クリスマスギフト広告を見て感じるコト

2015-12-17 19:06:20 | ビジネス

11月の末あたりからだろうか?カルティエの「クリスマスギフト広告」が、Yahoo!のバナー広告として、頻繁に表示されるようになった。
昨年までは、カルティエの象徴であるパンテールが登場する内容だったと思う。
それが今年は、「Diamonds are a girl's best friend」になり、出来上がったCM(というよりも、カルティエの場合、ショートムービーのような感じだ)は、マリリン・モンローのオマージュのような感じにも見える。
実際「七年目の浮気」などのワンシーンを彷彿とさせる場面がある。
確かに、クリスマスプレゼントに「ダイアモンドが欲しい!」と思っている女性は、多いとは思うのだがカルティエのような豪華さを期待するには、難しい(人のほうが多い)だろう。

豪華さでは一際目を引くカルティエだが、ルイ・ヴィトンも負けてはいない。
日本では、海外の有名ブランドとして圧倒的な人気を持つブランドだけに、「女性向け・男性向け」とわかりやすい見せ方をしている。
タイトルも「A TIME FOR GIVING」と、とてもダイレクトだ。

ルイ・ヴィトンの広告が、比較的商品を前面に打ち出しているとはいえ、2つの広告はそのブランドイメージとあっているように思う。
「(商品を)買いたい!」と思わせる部分も多少はあるが、「クリスマス」という多くの人が心躍るようなイメージを大切にしている。

一方、日本の企業はどうだろう?
残念ながら、「クリスマスシーズン(あるいは「ホリデーシーズン」)」という、華やかさを感じさせる広告を、見るコトがほとんどない。
確かに、カルティエやルイ・ヴィトンのような「ラグジュアリーブランド」そのものが、日本にはほとんどないというのが大きな理由だとは思うのだが、Yahoo!のバナーに表示される日本企業の広告が「自動車」などの「実用的」な商品ばかりでは、なんとなくさみしさを感じる。
それだけではなく、日本企業は「モノづくり」は得意でも、「ラグジュアリー」というか「優美さ」とか「優雅さ」のような「コト」を「モノづくり」に足すことが、苦手なのでは?という、気がしてくる。
それは「機能美」とは別の、「シンプルな余白」ということなのかもしれない。