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「トマムリゾート」は、どうなってしまうのだろう?

2015-12-11 20:18:55 | ビジネス

Yahoo!のトピックスなどに「中国のバフェット、失踪か?」という、ニュースが取り上げられている。
Yahoo!トピックス: 「中国のバフェット」連絡途絶えたとの報道

この記事を読んだとき、保険会社からリゾート運営会社まで幅広い事業を傘下に収める・・・とあったので、もしや先日、中国の投資会社が星野リゾートが運営している「トマムリゾート」と、何か関係あるのでは?という気がしたら、やはり「トマムリゾート」を買収した中国の投資会社だった。

この中国の投資会社が「トマムリゾート」を買収した、というニュースを聞いたとき、中国人観光客も「爆買い」から「滞在型リゾート」へと変わってきたのか?という、気がしていた。
ここ数年、北海道のリゾート地は日本人観光客だけではなく、海外からの観光客が増えてきている、という話を聞いたコトがあったからだ。
とくに「トマムリゾート」近辺(?)は、「パウダースノー」と呼ばれる雪質で、オーストラリアからなどの観光客で人気になっている、という話だったからだ。
当然、経済発展が進む中国であれば、超が付くような富裕層が長期滞在型リゾートを楽しむようになっても、おかしくはないだろう、と思っていた。

ただ、気になったのは、買収をした企業がリゾート運営会社ではなく、投資会社だった点だった。
投資会社というのは、あくまでも「買収した物件」を、高値で売り払い、利ザヤを設けるのが商売だ。
本気になって「トマムリゾート」を、リゾート地として活用していく気があるのだろうか?という、疑問があった。
実際、買収はしても実質的運営は「星野リゾート」が行う、ということを発表していたコトを考えると、あくまでも「投資の一つ」として考えていなかったのでは?という、気がしていた。

実はネット上ではこの中国の投資会社が、「トマムリゾート」を買収したコトで「星野リゾート」に対する、批判的な意見が数多く見られた。
ネット上のコトなので、いわゆる「ネットウヨ」と呼ばれる人たちの意見も、それなりの数としてあったと思うのだが、多くは「星野リゾートには、ガッカリ」とか「もう、トマムには行かない」という意見(というか書き込み)も多かった。
これらの意見を見たとき、逆に「リゾート界の風雲児」のように言われている(?)星野リゾートの経営は、大丈夫なのか?という気もしたのだった。

それにしても「トマム」というリゾート地は、時代の経済に翻弄される土地だと思う。
元々は、地域振興のために造られたホテルとスキー場だったはずだが、バブル経済とともに事業を拡大化。
これを後押ししたのが、「総合保養地整備法」という法律だった。
おそらく、この法律の後押しで全国各地には様々なリゾート施設が誕生したはずだ。
宮崎の「シーガイア」もその一つだったと記憶している。
バブル崩壊で、メインバンクであった「北海道拓殖銀行」が、破たんすると経営が行き詰まり、一度は破たん。
紆余曲折を経て、星野リゾートが買い取り、運営をするようになった。

「総合保養地」としては、おそらく魅力的な資源はたくさんあると思う。
であれば、投資会社ではなく本気で「トマム」とその周辺地域全体の魅力が、発信できるような企業に携わってほしいと思う。