日々是マーケティング

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C2Cビジネスは、定着するか?

2018-06-19 21:37:41 | ビジネス

今日、メルカリがマザーズへの上場を果たした。
メルカリの上場については、様々な意見があったように思う。
いくら新興企業向けのマザーズとは言え、C2Cというビジネスそのものが定着をしている、とは言い難いのでは?という状況での上場だったからだ。

実は私自身、メルカリのシステムを利用してC2Cのビジネスモデルが、イマイチわかっていない。
システムそのものは、ある程度理解をしているつもりなのだが、利用者の気持ちということが、イマイチわからない、というのが正直なところなのだ。
そして日経新聞もCOMEMOにも、同様の感覚を持っていらっしゃる方がいた。
日経新聞 COMEMO:C2Cなサービスを利用する人の感情がよく分からない問題

私の周囲でもメルカリを利用して、自分にとっては不要となったものを売っている知人がいる。
自分にとって不要なものでも、違う人にとっては欲しいもの、ということはあるだろう。
引っ越し前に自宅ガレージで不用品を販売する「ガレッジ―セール」や、一時期人気を博した「フリーマーケット」などは、その典型だとおもう。
子どもの頃の「お店屋さんごっご」気分があり、売り手と買い手のチョッとした駆け引きなども、その面白さの一部だったのでは?と、思っている。

それがネットで展開をするようになったのがメルカリであり、メルカリ以前にもYahoo!や楽天のオークションはあった。
最近ではモバイル専用のオークションサイト・モバオクもある。
オークションの場合、競り落とすというゲーム的な要素もあり、随分前だが問題になったコトがあった。
競り落とす商品が欲しいのではなく、競り落とすというゲーム感覚が楽しくて参加する、という人が想像以上にいたからだ。
今でも、話題となった商品のオークションには、現実的ではない金額が提示されることもあり、オークションサイトではこのような競りに対して、様々な防止策をしている(ようだ)。

それに比べメルカリの場合、出品者が値段を最初から提示をし、その価格で納得した人が購入する、という方法だ。
ネット上のフリーマーケットのようなイメージだろうか?
感情的にわからないのは、B2Cの場合Cである購入者がBである販売者に対して、何等かの信頼があり商品を購入しているのに対して、メルカリのC2Cビジネスには、そのような信頼関係は無い。
もちろん、出品者側が何度もメルカリを利用することで、購入者からのレビューなどにより「信頼」が生まれてくるとは思うのだが、出品者自身、そこまで考えて出品しているわけではない、と思うからだ。

とすれば、購入者は出品者の何を信頼して、購入をしているのだろうか?
欲しかった商品が、買える価格で出品されている、という理由で、購入をしているだけなのでは?
そこには、商品とお金の交換という、商売の基本となる行為はあるが、購入者は出品商品を手に取って見られるわけではない。
今年の初めには、北海道の学生が窃盗品をメルカリに出品して370万円も稼いでいた、という事件があった。
そして、同様の事件は後を絶たないようだ。
このような窃盗品と不用品の違いなどを見分ける術は、今のところない(ように思われる)。
また、ネットからネットへの転売ということもあるだろう。

メルカリとういうサービスそのものが、急速かつ急激に広まったため、様々な部分で問題を抱えているようにも思えるのだ。
そのような状況の中で、気軽にサービスを利用する・・・ということに抵抗感があるのだ。
やはり、もうしばらくは様子見をしたほうが良いのでは?と感じる、メルカリのC2Cビジネスという気がしている。