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マーケティングが強い企業とは?

2018-06-25 22:53:57 | マーケティング

日経クロストレンドというWEBサイトに、「マーケティング実力企業ランキング」という記事があった。
残念ながら、会員にならないと全文を読むことはできないのだが、上位30社のランキングは見ることができる。
日経クロストレンド:1位はポテチ新規客を掘り起こしたカルビー「マーケティング実力調査300」 

調査対象や内容については、記事を読んでいただければと思うのだが、1位となったカルビーについては「フルーツグラノーラ」のヒット、などの理由が挙げられると思うのだが、おそらくタイトルにある通り「ポテトチップス」に対しての印象が強いのかもしれない。

その「ポテトチップス」だが、カルビーとその他のメーカーとの大きな違いは「ご当地チップス」だろう。
これまでも「地域限定」という商品は、数多くあった。
カルビーのポテトチップスやかっぱえびせんにも「地域限定」という商品がある。
他社との違いは、「地域限定商品」を全国で販売した、というところに大きな違いがあるのでは?と、考えている。

これまでの「地域限定商品」といった場合、「販売をしている地域に限定された商品」という意味だった。
ところがカルビーは「地域限定の味」を、全国で期間限定で販売をする、という方法を取ったのだ。
それは百貨店などで人気の催事「全国駅弁大会」のような、感覚に近いかもしれない。
駅弁の場合は、居ながらにして旅気分の駅弁を楽しめる、という感覚があるのと同じように、出かけなくては味わえなかった「ご当地ポテトチップス」を出かけなくても味わえる、というのは「旅気分」とまではいかないが、ポテトチップスを食べる+αの楽しみを生活者に与えることになる。
それが近所のスーパーなどで、年に数回味わえ、元々がそれほど高額な商品ではないので、つい買ってみたくなる・・・という生活者の気持ちを理解した戦略だと思う。

「フルーツグラノーラ」にしても、1種類ではない。
いくつもの種類があり、朝の気分によって食べ分けている方もいらっしゃるかもしれない。
何より、これまでの「トーストとコーヒー、ハムとたまご(+できればサラダ)」というメニューに比べ、手軽でそこそこの栄養バランスの良さも期待できる、というメリットがある。
何より他社のシリアルに比べ、ドライフルーツやナッツが入っているというのは、これまで見落とされがちだった栄養素が入っている、という点でも生活者の気持ちをとらえた、とも考えられる。

ただ、この調査で気になったコトがある。
それは「マーケティングの優等生」といわれるP&Gの名前が無い、という点だ。
P&Gそのものは、様々な分野の商品(食品から日用品、ペット用品まで)扱っている為、P&Gとブランド名が結びつかないのかもしれないのだが、この点は意外だった。
もう一つ気になった点は、調査対象者をフルタイムで働く人に限定をしている点だ。
そう考えると「フルーツグラノーラ」という商品が、クローズアップされるのも十分理解できるのだが、フルタイムで働かない人達は、どう思っているのだろうか?という、疑問も出てくる。

この調査は、「フルタイムで働く人は、このように感じている」という程度で見る必要かもしれない。