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さくらももこさんの訃報とがん検診

2018-08-28 19:22:41 | 徒然

週明け、著名な方々の訃報が続いた。
アメリカの劇作家・ニール・サイモン氏や舞踏家のリンゼイ・ケンプの訃報は、確かにショックなことではあったが、それよりも大きなショックだったのは、漫画家のさくらももこさんの訃報だった。

年齢もまだ53歳と若く、さくらさんの出身地の静岡新聞などには、8月上旬にさくらさんが「まる子ちゃんのマンホール」などの提案・寄贈というニュースが掲載されていた。
静岡新聞:静岡の「まる子」マンホール さくらさんが市に提案(8月4日付)
     「まる子」マンホール、静岡市内に2カ所 さくらさん寄贈(8月8日付)

著名な方が、がんで急逝されると「検診」の問題が取り上げられることが多くなる。
自治体で行っている「肺がん」の検査を3回も受けながら、見落とされ亡くなられた方がいた、というニュースもあった。
LivedoorNews:肺がん検診で3度見落とし女性死亡 自治体の格安検査の粗雑さ
このようなニュースを聞くと、「がん検診など受けても、無駄」と感じられる方も多いと思う。
さくらさんの訃報を受け、「検査でも見つからないがんがある?」という記事も出ている。
AERA dot.:さくらももこさん乳がんで死去 検査でも見つけられないがんもある?

おそらくAERA(というよりも、週刊朝日か?)の記事でいう「検査でも見つけられないがん」というのは、乳がんを想定しているのであれば「高濃度乳房」と呼ばれるタイプの乳房による、検査の難しさを指しているのでは?と思われる。
欧米の女性の乳房は脂肪が多いのに対して、日本人をはじめとするアジア系の女性の乳房は「乳腺が密で、脂肪が少ない」といわれている。
分かり易く言うと欧米の女性は「やわらかな乳房」で、日本人をはじめとするアジア系の女性は「張りのある乳房」が多いということなのだ。
そのため、日本女性の場合、乳がん検診で行われる「マンモグラフィー検査」では、乳房の陰影が真っ白になってしまい、乳がんの初期である「石灰化」を見つけにくい、という特徴がある。
だからといって、「検診を受けるのは無駄」というわけではない。
乳がん検診場合、学会が認定した基準をクリアした①病院②画像診断医③画像を撮影する技術者を公表している。
このような基準をクリアした機関で、検診を受けるということが、一番重要なのだ。

そして、亡くなられた肺がんの見落としについてだが、元々自治体が行う「集団検診」の中で「胸部レントゲン」は、「肺がん」ではなく「結核」を対象として始まったものだった、と記憶している。
とすれば、集団検診で疑問を感じた時には、専門医の検診を受ける、ということも重要なのだと思う。
国立がんセンター がん情報サービス:がん検診 一般向けリーフレット (各がんのガイドラインリーフレットがpdfファイルで見られる)

何より生活者の多くが、このような情報にアクセスできない、という現実が一番問題なのかもしれない。