自民党が、2020年のオリンピックに向け「サマータイム」を検討しているらしい。
時事通信:自民が夏時間検討へ 安倍首相指示、政府なお慎重論ー東京五輪の猛暑対策
例年にない猛暑や炎暑を超えるような暑さが続いている。
そして、年々「猛暑レベル」が上がっているのでは?と、感じている方も多いのではないだろうか?
このままでいくと、2020年の東京オリンピックの時には、一体どうなってしまうのか?と、心配されるようになるのは無理もないと思う。
今年の暑さのように、「昼間戸外で活動をすることが、命に係わる」ような状況であれば、夏ではなく1964年の時のように秋の開催のほうが、まだまだ安心できるのでは?という、指摘がされるのも当然のことだろう。
そもそも、1964年の時の東京オリンピックは秋開催だったのが、何故夏開催になったのか?という、疑問が無いわけではない。
海外の様々なスポーツの大きな大会が秋に集中し、夏はスポーツのシーズンオフなので、選手派遣がしやすいだとか、テレビ中継がしやすいなどの噂を含めた「大人の事情」ということらしいのだが、そのような「大人の事情」を含めて考えても、亡くなる方が出るような暑さの中、競技を行うこと自体、マイナス面が多いような気がする。
何故なら、無理をして出場した選手たちが、様々なスポーツの大会(いうなれば、W杯か?)で、ベストパフォーマンスのプレーができなければ、意味が無いと思うからだ。
そのような「大人の事情」があるとすれば、「サマータイム」を導入するよりも、スタート時間を中継などの多額な放送権料を支払っているとされている欧米のゴールデンタイムに合わせてしまったほうが、良いのでは?という気がしている。
今年の冬季オリンピック・平昌大会を思い出してほしい。
欧州で人気のジャンプ競技などが、深夜に近い時間で行われたり、早朝に試合があったりした。
どう考えても「選手ファースト」とは思えない、競技時間の始まりに「おかしいな~?」と思われた方も多かったのでは?
その理由が、多額の放送権料を支払っている欧米のゴールデンタイムに合わせた中継をするためだった、という話が、まことしやかに言われていた。
日経新聞:平昌五輪なのに「時差」? 米TVが影響力
確かに、時差の関係があり日本をはじめとする東アジアの昼間は、欧米では深夜~早朝ということがある。
だからといって、選手たちのことを考えれば、非常識とも思える競技時間の開始は、迷惑だったのではないだろうか?
しかし、2020年の東京オリンピックの場合、年々酷くなる暑さのことを考えれば、早朝と夕方~夜にかけての競技開始というのも「選手ファースト」という視点から考えても、十分検討されても良いと思うのだ。
それに対して、安倍さんが指示を出したといわれる「サマータイム」は、2時間程度時計を早めるだけで、午後3時が午後5時になるようなものなのだ。
1日の時間は24時間であることには変わりないので、サマータイムで早まった時間は、競技をする選手たちにとっては夕方の涼しいくなるはずの時間が、まだまだ暑い時間での開始時間になるだけの話なのだ。
それに合わせて、生活者の時間も変わる必要がある。
分かり易く言うなら、今まで午前9時の始業時間が今の午前7時になるような感じだからだ。
当然、終業時間の午後5時は、暑さが残る午後3時ということになる。
しかも、2年限定での実施というのは、混乱を招くだけで有効な方法だとは思えない。
「選手ファースト」という視点で考えるなら、「いかにベストパフォーマンスが発揮できる気温の時に競技時間を設定するのか?」ということだと思う。
なんとなくだが「小手先の2年限定サマータイム制」導入は、選手のみならず私たちの生活にとってもマイナス面はあれど、プレス面はあまり無いような気がするのだが・・・。