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女性マーケターから見た日々の出来事

「東京>その他地域」という、報道偏重

2018-08-01 19:21:16 | アラカルト

先月の「西日本豪雨」の被災地には、今だに避難生活をしながら復旧作業を続けている、という方は多いはずだ。
この炎天下、作業そのものはなかなか進まないのでは?と、想像している。

今回の災害で、一つクローズアップされた問題がある。
それが「災害発生時、民放のキー局がほとんど情報を流さなかった」という点だ。
朝日新聞:豪雨、報道手薄だった民放 現地の局「キー局鈍かった」

災害発生時が、夜だったこともあり多くの人たちがテレビを見ていたはずだ。
それは被災地であっても同じだろう。
民放を見ていた為、逃げ遅れた人が続出した、とは思いたくはないが、テレビそのものは、災害の呼びかけのツールとしては、有効的な手段と考えられているにもかかわらず、民放のキー局が鈍かったのは、何故なのだろう?
一つ考えられるのは、「東京>その他地域」という、報道偏重があったのでは?ということだ。

例えば、最近都市部を中心に頻発するようになった「ゲリラ豪雨」。
テレビのニュースで、渋谷の交差点が浸水し、マンホールのふたが外れ水が噴き出している、というニュース映像を見たことは無いだろうか?
「ゲリラ豪雨」は、東京以外でも発生しているのに、他の地域の「ゲリラ豪雨」のニュースというのは、ほとんど聞いたことが無いような気がするのだ。
JRや空港の情報は、全国的なニュースかもしれないが、首都圏の私鉄などのニュースはどうだろう?
まして、利用者のインタビューなど、全国放送する必要があるのか?ということなのだ。

キー局側としては、キー局でありながら東京のローカル局として、地元密着の情報や報道をする必要がある。
その判断の中に「東京>その他地域」という、意識があるのでは?という気がするのだ。
多くの人にとって、自分の身近な出来事とそうではない出来事に対して、感じ方は全く違う。
自分にとって近い話題やニュースは、現実性をもって感じられるし、遠いところで起きた話題やニュースは「絵空事」のような感覚で受け止めてしまう。
だからこそ、民放が全国ニュースとして取り上げる、東京の話題が多くなっているのでは?という、事なのだ。

この問題を解決するには、(現実は、どうなっているのは、分からないが)やはり民放であっても災害発生時には、ローカル局の自由裁量のようなものを認める必要があるだろう。
そして、ローカル局での情報をまとめながら、ある一定の基準(というと変だが)の災害規模と判断した時は、災害情報を優先する必要があるだろう。
特に、道路情報や鉄道情報は、ローカル扱いのニュースではなく、全国ニュースとして取り扱う必要があると思う。
何故なら、今回の西日本豪雨で、JR西日本管内の路線の被害が相当あるにもかかわらず、山陽本線以外の路線災害情報が伝わっていなかったように思うからだ。
今でも、被災地の鉄道の状況は決して復旧をしている、といえる状況ではない。
JR西日本:中国エリア運行情報
全ての路線情報を全国ニュースで取り上げろ!とは言わないが、せめて災害発生時から数日間だけでもこのような報道があっても良いのでは?
ボランティアに行く人達にとっても、有益な情報なのだから。