日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

当たり前だと思っていることに、疑問を持ってみる

2018-08-06 12:30:42 | マーケティング

連日の猛烈すぎる暑さに、思考力まで低下してしまうこの頃だ。
いつまでこの暑さが続くのか?と思うと、溜息しか出てこない。

日経Xトレンドに、「え!」と思うような記事があった(会員記事の為、一部の記事のみの紹介)。
日経Xトレンド:洗濯用「ウタマロ石けん」まさかのV字回復に、意外な用途

「意外な用途」という見出しを見た時、記事の内容とは全く違う用途でV字回復をしたのか?と、思ってしまった。
というのも、主婦(あるいは主夫)の間では、このような「部分洗い」の使い方は、よく知られており、一般的な使い方だと思っていたからだ。
台所の布巾などを、この洗濯石鹸でササっと洗っている方も少なくないと思う。
手ごろな価格はもちろん魅力だが、襟汚れや靴下の汚れなどは、洗濯前に塗り付けておくだけで、随分洗い上がりが違うからだ。

この記事を書かれたライターの方の「なぜ?」という疑問は、洗濯用洗剤(粉・液体)を使って洗濯機に入れて洗濯完了!と思っていらっしゃったのだと思うし、そのように思っている方はこのライターさんだけではないと思う。
その視点で考えれば、このような固形の洗濯石鹸は「絶滅危惧種」のような存在だと、思い込んでいても当然だろう。
一方、頑固な襟汚れや靴下の汚れ、上履きを洗う方にとっては「日々の洗濯の必需品」ということになる。

当たり前のように部分洗いで使っている人にとって、「なぜV字回復?」と思うだろうし、逆にいつも部分洗いなどで使っていない人にとっても「なぜV字回復?」と思うだろう。
「V字回復」という数字だけでは、その理由は見えてこないということはもちろんだが、「当たり前」だと思っていることの違いが、「なぜ?」の問いかけが違うということなのだ。

その結果として「ウタマロ」の場合は、「部分洗い」とか「上履き洗い」という、(二ッチかもしれないが)「洗濯」の中に新しい市場を創ったということになるだろう。
「当たり前」を疑うことで、新しい市場を見つけることにもなる可能性がある。