ネットニュースのサイトの一つ、Buzz Feedに「思い込み」という思考停止のような記事があった。
Buzz Feed News:「白の下着はすけない」って本当? 下着屋さんが言わずにいられなかったこと
この記事の発端となったのは、校則の中に「下着の色は、白」と決められている学校がある、ということが始まりだったようだ。
そして、実際に下着を販売する方が「白の下着は、透けないのか?」という、実験(というほどではないが)をした結果をtweetしたことが、話題になっている、という。
実験をした写真を見ると、「白だから透けない」のではなく、「白だから透ける」という結果になっている。
下着の色を指定している校則の学校側は、今頃アタフタしているかもしれない。
随分前になるのだが、ユニクロの「エアリズム」のメンズ下着が話題になり、大ヒットしたことがあった。
話題の理由は、Vネックのベージュ色のエアリズムだと透けない、だった。
20年位前だろうか?Yシャツの下にTシャツ(丸首の下着)を着ると、Tシャツが透けて見えて、その姿がカッコ悪い、といわれていたことがあった。
本来であれば、肌に直接Yシャツを着るよりも、下着を着てYシャツを着たほうが、衛生面や汗対策としても良い、という指摘があったのだが、見た目「カッコ悪い」というイメージから、夏場は下着を着ずにYシャツを着る男性も多かった(らしい)。
ところが、ユニクロの「エアリズム」のVネックのベージュ色の下着は、直接Yシャツを着るよりも心地よく、下着が透けない、と話題になり、大ヒットしたのだった。
おそらく、その頃から「白の下着よりもベージュなどの色のほうが、透けない」という認識は、拡がりつつあったのだと思うのだが、校則には反映されていなかったようだ。
実際、下着売り場などを見てみると、女性用下着で一番多い色はベージュのような気がする。
その次に多いのは、黒やグレーといったダークカラーかピンク、あるいはピーチだろうか?
むしろ「白色」というのは、少なくなりつつあるような印象がある。
では、何故「白は透けない」ということになってしまったのか?ということを考える必要があると思う。
実際には「透けやすい色」であるにもかかわらず、「透けない色」という思い込みは、一体どこからきたのか?
着物の下着となる肌襦袢などは、確かに「白」ばかりだ。
だが、それは今現在であって、かつては古くなった着物をほどいて、襦袢にしていた、という話も聞いたことがある。何より、着物の場合肌襦袢の上には、長襦袢を着、その上に着物を着る(だから、夏場は暑くてたまらない)。
夏場の着物といえば、浴衣ということになると思うが、その浴衣でも「藍は外出でも大丈夫だが、白は家で着る」といわれていた(と、記憶している)。
そう考えると、「白=透けない」の思い込みは、まったく違うところから始まったのでは?ということになりそうだ。
この「下着の色指定」という校則そのものが、トンデモナイ校則だと思うのだが、トンデモナイ校則となった「思い込み」という思考停止こそ、一番問題のような気がする。
そしてトンデモナイ校則を揶揄するのではなく、自分の中にも「思い込み」という思考停止はあるのでは?と、疑ってみることが必要かもしれない。