日々是マーケティング

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マネージメントって、何だろう?

2018-12-21 21:29:37 | ビジネス

日経新聞のCOMEMOを読んでいたら気になるコラムがあった。
大阪ガスのエネルギー・文化研究所の所長をされている池永さんのコラムだ。
COMEMO:神様、王様がいっぱい住む日本、どないなってんねん

池永さんのコラムは、軽妙洒脱な語り口でありながらなかなか鋭い切り口だな~と、思いながら拝読させていただいている。
今回の「神様、王様」というのは、今の生活者のある場面における意識の偏りを揶揄しているように思えたのだ。
それは最近問題となっている「モンスター化したお客様」だけではなく、現場よりも企画のようなカッコ良い仕事のほうが価値があるといった、職種や立場による上下関係というか主従関係を作りたがる、今の生活者の意識の問題だ。

その中でも「マネージメント」って何?という、疑問を呈していらっしゃるコトに興味を持ったのだ。
「マネージメント」といえば、10年ほど前になるだろうか?ドラッカーの「エッセンシャル版・マネージメント」を分かりやすく書いた「もしも、高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネージメント』を読んだら(通称「もしドラ」)」の大ヒットで、ビジネスシーンだけではなく様々なところで「マネージメント」と言う言葉が使われるようになってきた。
そして多くの場合「マネージメント=管理」のようなニュアンスで、使われることが多いように感じている。

「管理」という意味になった途端、「管理される側と管理する側」という主従関係のようなモノが発生する。
「マネージメント」とは、主従関係を作る為のモノなのだろうか?
確かに企業などでは「マネージメント=管理」というニュアンスが強くある。
役職でも「マネージャー」といえば、チームをまとめる役を指すことが多い。
そのような中で唯一(?)チームを下支えする「マネージャー」がいる。
「もしドラ」の高校野球(だけとは限らないが)の女子マネージャーだ。
彼女たちと野球部の部員との関係は、「女子マネージャー>野球部員」という力関係ではない。
むしろ、野球部員のみんなが気持ちよく野球に専念できるように、サポートをするような役回りだ。

ここに「マネージメント」のヒントとなるモノがあるのでは、無いだろうか?
物事を進めるために、どうしたらよいのか?何をすべきなのか?と、考え・行動をする、ということが「マネージメント」であり、「マネージメント」をする人は、誰でもなく自分自身である、ということだ。
「管理する側とされる側」という関係ではなく、マネージャーと呼ばれる人は、過去の様々な経験などから、チームにアドバイスをし、メンバーそれぞれの考えを助けるという役割、なのではないだろうか?
「指導」をするのではなく、「サポート」をするのがマネージャーとしての役割だとしたら、世間一般で言われる「主従関係にあるマネージャー」は、本来の意味ではないのでは?

池永さんは、そのようなコトを十二分に知った上で、このような問題提議をされているような気がする。