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Good Loserになるのは、難しい

2020-11-05 19:48:24 | 徒然

米国時間の昨日、投票がおこなわれた米国大統領選。
郵送での投票などもあり、すべての開票が済んだわけではないが、どうやら情勢はバイデン氏有利ということになりそうだ。
とはいえ「激戦区」と呼ばれるジョージア州の開票が終わっていない為、まだまだ先行きは分からない、と言った感じだ。
ただ、獲得票数から考えれば、バイデン氏ということになりそうだ。

4年前、獲得投票数ではトランプ氏よりも多かったにもかかわらず、民主党のヒラリーさんは大統領になれなかった。
それは、米国大統領選が、獲得投票数ではなく、各州の「選挙人の総取り」と呼ばれる方法で行われる為だ。
東京新聞:アメリカ大統領選のしくみ 州ごとの「選挙人」って? 郵送投票の急増でどうなる?

このような選挙方法だからか?今回の大統領選は以前に増して混乱しているようだ。
その混乱の原因となっているのが、トランプ氏本人だ。
昨日は、状況が判明していない中勝手に?勝利宣言のようなことを行い、「開票の差し止め」を示唆するような発言があった。
これには、同じ共和党内からも批判が噴出しているようだ。
Forbes:トランプの誤った「勝利宣言」に身内の共和党から批判噴出

確かに、昨日の時点では激戦区であるフロリダを勝ち取ったことで、勝利に近づいたという印象があった。
というのも過去の大統領選では、数々のトラブルと選挙の行方を決めてきたのが、フロリダ州だったからだ。
全米51州ある中で、ほとんどの州は「共和党・民主党」の勢力図がハッキリしている、と言われている。
いわゆる「都市部」では民主党が強く、中南部の地域は共和党が強い、とされている。
そのような色分けができない州が「激戦区」ということになる。

その激戦区を制する候補者が、大統領になれるということになるのだが、トランプ氏が「開票の差し止め」を示唆した州は正に「激戦区」の州の一部であり、未開票となっている「激戦区」でバイデン氏が総取りすると、トランプ氏の再選は無くなってしまう可能性が高かったからだ。
そして今日になって、選挙集計の停止を求め提訴を繰り返している。
朝日新聞:苦しいトランプ氏「詐偽投票だ」集計停止求め提訴連発

これまでの大統領選で、このような「集計停止」等を求める候補者は、いなかったような気がする。
それだけ追い詰められたトランプ氏、ということになるのかもしれないのだが、上述したように4年前投票獲得数はトランプ氏を上回ったにもかかわらず、「選挙人の獲得数」で負けたヒラリー氏は、選挙結果が判明する前に「敗北宣言」をしている。
この時行ったスピーチが、ヒラリー氏の政治家活動の中で一番素晴らしい、と言われるほどの内容だった。
youtube:米大統領選挙敗北承服演説 ヒラリークリントン

Good Loserのお手本のようなスピーチと言われた内容だ。
そしてGood Loserになる難しさを、トランプ氏は教えているように思える。

それにしてもトランプ氏の4年間で、アメリカはどのように変わったのだろうか?
人種問題を含め格差が広がるばかりで、産業や経済においてかつての「大国・アメリカ」という力も感じられなかったように思う。
むしろ、アメリカ国内の「パンドラの箱」を開け、収拾の目途も経たないまま、憎しみだけを米国社会に知らしめたような、気がしている。