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カマラ・ハリスのメッセージは、4年前から続いていた

2020-11-09 19:31:16 | アラカルト

昨日、次期米国大統領として勝利演説をしたジョー・バイデン氏。
この時の勝利演説が、一部の人たちから注目をされている。
注目される理由は、勝利演説で聖書の一部「コヘレトの言葉」等を多用したことだ。

バイデン氏自身が、敬虔なクリスチャンであるということも関係しているとは思うのだが、これまで民主党出身の大統領の多くが、これほど聖書などを多用し勝利演説をしたことは無かったのでは?という気がしている。
私自身が、クリスチャンではないので聖書などの内容を知る由もないのだが、「聖書」等からの言葉を多用したという点では、共和党の支持母体の一つである「福音派」へのメッセージも込められているようにも思われる。
Christian Press:「いま全米は癒す時」バイデン氏勝利演説に見る聖書とキリスト教

それに対して、副大統領となったカマラ・ハリス氏の演説はバイデン氏の演説とは、随分違う内容だったように感じている。
その一つが、「私は最初の副大統領かもしれませんが、最後ではありません」という言葉だと思う。
Huffpost:カマラ・ハリス氏、女の子たちに力強いメッセージ。「私は最初の副大統領かもしれませんが、最後ではありません」

この演説を聞いて、思い出したことがある。
それは4年前、当時の民主党の大統領候補であったヒラリー・クリントン氏の「敗北宣言」の一節だ。
先日、拙ブログでの「Good Loserになる難しさ」というテーマでエントリした時、ヒラリー氏の「敗北宣言」の動画のリンクを貼ったので、そちらを見て欲しいのだが、この時、ヒラリー氏は「女の子たちに、自分たちの可能性を信じて欲しい。そして今回は負けてしまったけど、近いうちに女性が政治の中心で活躍する日は近いと信じている」という趣旨の演説をしている。

ヒラリー氏のこの言葉は、4年前の大統領選でのミッシェル・オバマ氏の応援演説から引き継がれたメッセージでもあったはずだ。
ご存じの方も多いと思うのだが、オバマ夫人であるミッシェルさんは「女児や若い女性に対する教育の重要性」を、様々なところで話していた。
「教育の重要性」は、教育を受ける機会の平等というだけではなく、社会に出た後にも様々行動を起こす時、信頼を得る為に必要な基礎であり、それらの教育機会を得られることで、本当の女性の社会進出となる、と話していたからだ。
ハーパスバザー:【動画】ミッシェル・オバマ夫人の民主党大会で喝采を浴びた名スピーチ

ミッシェルさんとヒラリー氏、そしてカマラ・ハリス氏、それぞれ表現は違うが「若い女性、女の子たちへのメッセージ」としての趣旨は、一貫して変わっていない。
それは若い女性、女の子という枠を超え、様々な差別を受けている人たちへの、力強いメッセージへと変わってきている、ということもわかるはずだ。

カマラ・ハリス氏の演説を見ながら「日本の女性政治家の中に、これほど力強いメッセージを自分の言葉として演説できる人はいるのだろうか?」と感じた方は、少なくなかったのではないだろうか?
そう考えると、日本では男性ウケの良い女性政治家ではなく、男性政治家と丁々発止で自分の言葉で自分の考えを発信できる女性政治家の登場は、まだまだ先のような気がする。