Huffpostをチェックしていたら、コトラーの名前が出てきた。
マーケティングに携わる方であれば、コトラーという名前を聞けば「新刊を購入せねば!」という、感覚になる方も多いのではないだろうか?
それほど、マーケターにとってコトラーの新刊は、常に新しい何かを感じさせてくれるものがある。
Huffpost:コトラーを愛読するマーケターこそ「再生エネ」に注目せよ。最新刊『マーケティング5.0』を読み解く。
記事のリード部分を読んで、コトラーは「マーケティングの父」から「マーケティングの神」になったのか?と、やや驚くような部分もあるが、コトラーの著書にはそれだけの「社会の変化をキャッチアップする」内容が多いのも事実だ。
だからこそ、コトラー信望者となる経営者はとても多い。
特に、日本の経営者は、コトラーの愛読者が多いのでは?という、気がしている。
記事にある通り、コトラーの『マーケティング5.0』は、日本ではまだ発刊されてはいない。
そのため、全体の内容は分からない部分が多いのだが、コトラーが示唆しているとされる「再生エネルギー」については、既に日本でも政府が「再生可能エネルギーへの転換」を打ち出し、その目標も設定された。
NRI:新たな電力源構成の目標数字は固まるも、実現可能性は見えてこない
日本政府がこの目標を打ち出した時、話題になったのは「CO2削減の為の原発依存から再生エネルギーへの転換」という点だったと思う。
これまで「原発は低コストでCO2削減の切り札」のような説明をしてきたはずの、政府の方針転換には驚いた。
ただ現実問題として、2030年を目標としたCO2削減の達成は、厳しいような気がしている。
このような目標を政府が打ち出したのには、EUや中国等が「HV車を含むガソリン車の販売停止」という発表があったからだろう。
確かにEV車の普及により、車からのCO2削減は可能だろう。拙ブログでも過去何度か指摘させていただいているが、EV車の普及は単にクルマによるCO2削減策という意味ではない。
むしろ、EV車を安定的に供給させるエネルギーそのものが「CO2の削減ができるモノではなくては、意味がない」ということをコトラーは指摘しているのでは?という気がするのだ。
だからこそ「再生エネルギー」に注目せよ!ということになるのだ。
今現在「再生エネルギー」の中心は「太陽光発電」と「風力発電」だろう。
「太陽光発電」に関しては、公共建築物への「太陽光パネル」の設置が義務付けられるようになる。
日経新聞:太陽光パネル、公共建築物は原則設置 住宅は義務化せず
個人的には、太陽光発電や風力発電の様に「自然エネルギー」を利用する、「再生エネルギーシステム」だけで、政府の目標を達成することは厳しいのでは?という、気がしている。
むしろ、下水からメタンガスを取り出したり、魚なのの加工場で処理しなくてはならない、アンモニアを活用したエネルギー供給のほうが、日本に向いているのでは?という気がしている。
いずれにしても、コトラーが指摘しているのは「目に見える=自分たちが使うエネルギー」そのものが、今のような化石燃料等によるものではなく、様々な生活から排出されるモノを利用し、エネルギーへと転換し使うというシステムが、社会だけではなく、国家間のエネルギー政策のイニシアティブをとることになり、それらの技術やシステムが世界のスタンダードになる(=スタンダードを獲得した国は、大きな利益をもたらす)ということなのでは?という、気がしている。