拙ブログでも時折紹介をさせて頂く、WWDJapanというファッション専門誌に、「富裕層の消費」についての記事があった。
WWD Japan:コロナ禍の富裕層の消費動向”海外旅行から高額消費へ”
有料会員向けの記事なので、全文を読むことはできないのだが、どうやら「コロナ禍」で様々なモノが動かない生活が1年以上続いていることで、富裕層に「消費意欲が高まりつつある」ということのようだ。
中でも、ハイジュエリーと言われる高額な宝飾品に動きが出てきている、ということらしい。
その大きな理由が、豪華な海外旅行ができない、ということのようだ。
確かに「コロナ禍」では、生活者の行動制限がされている。
ワクチン接種が進んだ諸外国でも、新しい変異株による新たな感染拡大という状況となり、「ロックダウン」ほどではないかもしれないが、人の移動制限をするような動きも出ていた。
この「コロナ禍」では、いくらお金があっても「旅に出かける」ということ自体ができない、という状況にあるのだ。
だからと言って、富裕層の多くは先祖から引き継いだ資産によって、自分が働かずとも膨大なお金が自然に入ってくる。
いわゆる「不労収入」による額が、半端ないほど多いのだ。
「富が新たな富を生む」という仕組みの中で、行き場を良しなった購買意欲がハイジュエリーの購入へと向かわせている、ということなのだろう。
豪華な旅行ができないために、ハイジュエリー等の様な「生活には関係がない高額商品」を購入するのは、来るべき「コロナ禍」収束後の豪華な船旅等の為なのかもしれない。
とすれば「コト消費からモノ消費」へ移った、と考えるのは早いのかもしれない。
少なくとも、今の世界情勢を考えると「資産をハイジュエリーに交換して、来るべき社会的危機に備える」という、状況ではないと考えるからだ。
と同時に「富裕層」の消費を社会的意義のある消費へと、変えていく必要があるのでは?という、気がしている。
日本を含め、先進諸国の社会的問題の一つとして挙げられるのが、「経済格差」だ。
世界中の富みの内数%の富裕層が持っている、という指摘は随分前からされてきているが、その格差は広がるばかりだ。
「富の再配分」など無いに等しい。
とすれば、ハイジュエリーだけではなく、ハイブランドのファッションを扱う有名ブランド等が、積極的に「富の再配分」に向けたアクションを起こす、という発想が必要になってくるように思う。
それが時には「新疆ウイグル自治区」を取り巻く問題であったり、SDGsに関連する問題解決であったりするのであれば、そのようなコトに興味がない「富裕層」の消費が、再配分されるのでは?
社会問題に対して興味が無い(無さそうな)生活者層に対して、「知らず知らずのうちに、社会的問題解決に参加するモノ・コト消費」という発想が、富裕層向け消費には必要なのかもしれない。