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「コロナ禍」で社会は何を学んだのか?

2023-03-09 19:37:03 | アラカルト

来週13日からやっと「新型コロナ感染予防対策」としての、「マスク着用」が個人判断となる。
そして、GW明けにはこれまでの2類相当から5類扱いとなる。
世界的に感染拡大した「新型コロナ」だが、ここにきてやっと日本も諸外国と同じような「withコロナ生活」になっていく(予定)。

この3年間、日本の「新型コロナ対策」とは、どんなものだったのだろう?と、考えてしまう。
その始まりは「新しい生活様式」という名の、政府のお願いから始まったような気がしている。
そこには「3密を避ける、手洗い・うがいの励行、マスクの着用」等があり、他にも商業施設や病院などに出入りする度に入口で体温を測り、アルコール消毒をさせられた。
健康診断の採血では、「アルコール消毒、大丈夫ですか?」と確認をされるのに、どこかへ出かけるとなると半ば強制のように手指のアルコール消毒をさせられた。
その度に、「この感染予防対策って、どれほどの効果があるのだろう?」と、疑問に感じていた。
確かに効果はあったのかもしれない。
効果はあったかも知れないのだが、具体的かつ客観的データとして、その効果を知る事がどれほどできたのか?という、ことに対して疑問を感じている、ということなのだ。

元々日本は「衛生環境の整った国」だ。
ファーストフード店に行くと、接客をする人は手指のアルコール消毒を欠かさないし、食品を扱うのだからマスクなどの着用もしている。
もっと生活の基本的なことを言えば、日本の下水完備は80%程度進んでいる。
都市部と地方では、差があるとしても人が多い都市部の多くは、ほぼ100%に近い整備率なのでは?
そのような「国としての衛生環境」が整っている日本で、何故諸外国よりも随分遅れたうえに、昨夜は専門家と言われる方々が「5類へ移行しても、これまでと同じように」という趣旨のことを話していた。

「これまでと同じような感染予防対策を引き続きって…。」と違和感を覚えた方の数多くいらっしゃったようで、Yahoo!のコメントなどでは相当批判的な内容が書き込まれていた。
「一体2類相当から5類へ移行する意味があるのか?そしてこの3年間それらの生活の制約がどれほど効果があったのか?」という疑問を問う内容がほとんどだった。

確かに3年前、「新型コロナウイルス」の感染拡大が始まった頃は、社会全体が戦々恐々とする日々だった。
それは「未知との遭遇」のような感覚だったのだと思う。
それから次々とウイルスそのものが変異することで、より社会全体に不安を与える事になったのは、ある意味当然なのかもしれない。
その不安を煽っていたのは、何だったのだろう?
3月12日と3月13日の間で、劇的に「新型コロナウイルス」の感染が減少するわけではない。
まして、GW明けの5月6日とGW最後の5月5日の間に、劇的な変化が起きるとも思えない。
にもかかわらず、日にちを区切る事で「withコロナ政策に代ります」と言われるのも、モヤモヤとしたものがある。

というのもこれまで政府が示してきた客観的データは「感染者数と死亡者数」だったからだ。
今でも、「陽性と確認された人/PCR検査を受けた人」、「死亡者/重症者数」と言った数字での発表はされてはいない。
政府の判断材料が見えてこないのだ。
だからYahoo!等のコメントでも、「これからも感染拡大防止のために、マスクは着用すべきだ」という意見と「流行性インフルエンザと同じ扱いになるのだから、健康な人はマスクを外すのは当然だ」という、意見が出てくるのだ。
どちらも心情的なことは十分理解できるが、それはあくまでも他者に対して強制すべきことではないし、強制されるべきことでもない。
そのことをこの3年間、まったくと言ってよいほど学んできていないように感じるのだ。

他にも5類へ移行することで、PCR検査などが有料化され国民負担が大きくなるような書かれ方もされているが、昨年父が病気で倒れ、入院をしたとき主治医との面談の為にPCR検査を受ける事になった。
その時のPCR検査代は、保険適用の3割負担だったのだ。
決して、PCR検査が無料で行われていたわけではない。
そのようなことにフォーカスするよりも、「より健康的で健やかな生活をしていきましょう」と、何故言えないのだろう?
生活者の多くは、そのような「安心感が得られるメッセージ」を、必要としているのではないだろうか?