日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

政治家の「発信力」

2023-03-03 15:01:06 | 徒然

拙ブログに来てくださる方なら、何となく感じていらっしゃると思うのだが、岸田政権になってから「政治」をテーマとしたエントリが少なくなっている。
本来であれば、マーケティングなどの経済活動と政治の話は、結び付けないというのが暗黙の了解のようなところがある。
しかし、現実には「金融政策」等は内閣の意向にある程度沿った形で、日銀が金利などの決定をしている、というところがある。
何より、納税者として様々な企業は政府と関わりを持っている。
その意味では、経済活動と政治は切っても切れない関係にある、と考えても良いと思う。

昨年、故安倍前首相が凶弾に倒れ、岸田さんが首相になったわけだが、岸田さんの「政治家としての発信力」が故安倍前首相に比べ、随分弱いというか少ないような気がしている。
例えば今日になって、安倍政権時代に「放送法」の解釈変更を図った、という趣旨の記事が一部新聞に掲載されている。
東京新聞」15年に放送法解釈変更図る 安倍政権、一部番組問題視 

掲載紙が東京新聞ということを考えると、「あ~~なるほどね」と思われる方もいらっしゃるかもしれない。
故安倍首相と東京新聞や朝日新聞などは、決して好意的な関係にあったとは思えない新聞社だからだ。
ただ好意的ではないとはいえ、亡くなってから半年以上経っても故安倍前首相の話題は、いろいろなナタチで報道されている。
そう考えると、故安倍前首相は「良きにつけ悪しきにつけ」様々な情報発信をしてきた、ということにもなるのでは?
任期が長かったとは言え、様々な政策をたて、やってきたのでは?という気がする。

それに比べ、岸田首相は「閣議決定」という言葉で、国会論議を避け実施したものがあるが、その情報発信力についてはどうなのだろう?
岸田首相の場合「閣議決定」という方法で、突然何かを決めてしまうために、生活者の多くが「寝耳に水」のような感覚に陥る政策が多い気がする。
その前振りも無ければ、「何々をする考えがある」という発信もない。
岸田さんが首相になった時「聞く力」という言葉が、いろいろなところで言われた気がするのだが、発信力がないので「一体何を聞いていたの?」というところから、疑問がわいてきてしまう。
結果として「お仲間の話は聞くけど、国民の声は聴かない」という印象になっている(ような気がする)。

政治家は何でも情報発信をすれば良い、とは言わないが国民生活にかかわる事に関しては、情報発信をすべきなのでは?
今でも人気の高い田中角栄氏は、粗野な感じはあったかもしれないが、少なくとも「声なき声を聞け」と檄を飛ばし、その声に対して情報を発信してきたように思う。
それが、亡くなられてからも高い人気となっているのでは?
新聞やテレビ、雑誌など限られたメディアの中で、発信力を見せてきた田中角栄氏に比べ、遥かに手軽に自分の言葉で情報を発信できる時代になっているにも関わらず、発信力が低下しているのは何故だろう?
語質を取られるのが嫌だから?それとも下手に情報を発信すると、利害関係者に迷惑がかかるから?そんな疑いを逆に持たれてしまっているのが、今の岸田首相なのではないだろうか?

政治家としての「発信力」が、これからますます重要になっていく時代に、気づかないのは何故なのだろう?